ソーシャルレンディングで複利効果を高める方法?効果を最大化する方法とは

ソーシャルレンディングで複利効果を高める方法?効果を最大化する方法とは

こんにちは。中田健介です。
「複利効果」という言葉を聞いたことはありますか。
活用することで資産を雪だるま式にふやすことができる複利効果はソーシャルレンディングにもあるのでしょうか。

複利効果とは

複利効果とは、資産運用で得た利益を再投資することで利息が利息を生んでふくらんでいく効果のことです。
アインシュタインも「人類最大の発明は複利効果だ」と述べたと言われていますが、この点を理解しているかどうかで資産運用の効率が大きく変わります。

仮に100万円を年利5%で運用したとすると、「収益を再投資しない場合」と「再投資した場合(複利効果を働かせた場合)」で、大きな違いが出てきます。

ソーシャルレンディングには複利効果があるのか?できるだけ複利効果を出す方法とは

グラフの通り、最初の数年ではあまり大きな違いはないように見えるものの、20年後には大きな差となっていることがわかります。

収益を再投資しない場合、毎年一定額しか資産が増えません。一方で、再投資した場合(複利運用)の資産の増え方は曲線的(加速度的)になるのです。
このようにインカムゲイン投資を長期的に再投資しながら行うことで、後に大きな利益を得られます。

「72の法則」とは

複利効果に関連してよく聞く言葉として「72の法則」というものがあります。
これは、「年利R%で複利で運用した場合、何年で資産を2倍にできるか」という計算法で、「72 ÷ R」で表されます。

例えば、年利3%であれば24年、年利6%であれば12年で資産が2倍になります。長期的な資産運用計画を立てる際には知っておくと便利でしょう。
あくまで簡易的な計算方法であり、厳密には若干異なるのでご注意ください。

複利効果が発揮されやすい投資商品の条件4つ

このように大きな力を持つ複利効果ですが、実際には効果が発揮されやすい投資商品とそうでないものがあります。
複利効果が発揮されやすい投資商品は以下の条件を備えています。

利回りがある程度高い

銀行定期預金を複利運用しても、得られた金利を再投資することはできるという意味では複利効果自体はあると言えます。

ただし、現在の銀行定期預金は年利0.01%と非常に低い水準です。仮に100年預けても資産は1%ほどしか増えず、実際にはほとんど複利効果は得られません。※1
少なくとも年利3%以上の投資商品でないと複利効果を実感できないでしょう。

値動きがあまり大きくない

投資商品自体の値動きが大きいものも、複利効果が発揮されにくいでしょう。
例えば株式投資でも毎年2%程度の配当が得られる銘柄もありますが、一般的には株式の値動きはそれよりもはるかに大きいので、大きく値下がりした時などは複利効果が打ち消されてしまうことになります。

一口あたりの最低投資金額が高くない

例えば最低投資金額が100万円で、年利回り5%という投資商品があったとします。

この投資商品に100万円投資した場合、1年間で5万円の配当金が得られるわけですが、最低投資金額に達しないので、毎年再投資を行うことはできません。再投資するには20年待つ必要があり、あまり複利効果が発揮されないことになります。

もちろん何億円も資金があればあまり問題にはならないでしょうが、一般的な個人投資家であれば、最低投資金額が少なく、再投資しやすい投資商品を選ぶ必要があります。

いつでも投資できる

定期的に投資できない場合、再投資がしづらいので複利効果を得るには不向きです。投資しようと思えばいつでも投資できるような商品が望ましいと言えます。

ソーシャルレンディングに複利効果はあるのか

得られた金利を再投資することができるので、ソーシャルレンディングも複利効果があると言えるでしょう。

さらに複利効果が発揮されやすい条件である「利回りがある程度高い」「値動きがあまり大きくない」「最低投資金額が少ない」「いつでも投資できる」の全てに当てはまっており、複利効果を得るには最適な投資商品であると言えます。

7%の利回りで、ソーシャルレンディングを複利運用した場合、資産は11年で約2倍になり、17年で約3倍になります。
ソーシャルレンディングには複利効果があるのか?できるだけ複利効果を出す方法とは

ソーシャルレンディングの複利効果を最大化する方法

ソーシャルレンディングで複利効果を高めるには、いくつか気を付けるべきポイントもあります。

少しでも早く投資を始め、長期的に投資する

投資期間1~2年程度では複利効果はあまり実感できません。少なくとも5~10年程度の投資期間が必要となります。
したがって、少しでも早く投資を始めたほうがよいでしょう。投資に際して慎重に検討するのはよいことですが、無意味に先延ばしすることはお勧めできません。

また、一度始めたら途中でやめないことも重要でしょう。さらなる投資ができなくなるため、資金を使ってしまわないように気をつけるべきです。

こまめに再投資する

複利効果を最大化するには、得られた分配金(利益)をこまめに再投資する必要があります。分配金を預託金口座に入れたままでは一円も増えないので、なるべく早く再投資を検討する必要があります。

ほとんどのサービスで分配は月1回なので、そのタイミングで再投資すれば十分でしょう。

分散投資を心がける

ソーシャルレンディングには貸倒れ(デフォルト)や事業者リスクが付き物です。特に長期投資をしていればそうした事態に遭遇する確率も高まります。
デフォルトの際に資産の多くを失ってしまっては意味がありません。

ダメージを最小限に抑えるためにも分散投資を心がけるようにしましょう。そうすれば一時的に資産が減ることがあっても、長期的には複利効果でリカバリーできる可能性が高くなります。

まとめ

これまでも「複利効果」という概念自体は知られていましたが、この低金利時代においてそれを実際に発揮できるような投資商品は少なかったのではないでしょうか。

ソーシャルレンディングは現在の日本で複利効果を実現できる数少ない投資商品の一つだと言えます。
今回の記事を参考に、複利効果を十分に活かして資産形成に取り組んでいただければと思います。


1)2017年6月時点