「償還」と「分配」と聞いて、違いが分からない、また、確認の方法が分からない、という方のために、用語の説明と、償還や分配の確認方法を解説していきます。
償還とは?
期限が満期となり、投資家に元金を返すことです。
償還日に一括で償還するものや、定期的に一部を償還する(分割して償還する)ものがあります。
ソーシャルレンディングでは一括償還を行う事業者が多い中、分割して償還する事業者もみられます。
maneoを例とすると、以下の画像のように「返済方法」で「一括」となっている案件は償還日に一括で返済、「分割」となっている案件は分割で返済される案件となります。
※例では「一括」と「分割」両方に○が付いている案件がありますが、これは複数の案件の中で、一括償還の案件と、分割償還の案件が混ざっているためです。
一括償還と分割償還の選び方
リスク面を考えると、一括償還の場合は償還前にデフォルトに陥ると全額失ってしまいますが、分割償還の場合は元本が毎月返済されるため、途中でデフォルトしても損失額を低く抑えることができます。
しかし、利回りを考えると、分割償還の場合は毎月元金が返済されるため、返済された元金は再投資するまでの期間は金利が発生せず、一括償還と比べると利回りは低下します。
一括償還と分割償還を選べる状況のときは、リスクを抑えたい場合は分割償還、利回りを重視する場合は一括償還を選ぶとよいでしょう。
分配とは?
ソーシャルレンディングの事業者から、案件の収益の一部を投資家に還元することです。償還は元金、分配は収益、と考えると分かりやすいでしょう。
投資信託では運用成績に応じて分配金が大きく変わりますが、ソーシャルレンディングでは借り手の金利が予め決まっている為、延滞などの問題が生じない限りは、投資する時点で分配金(利回り)が決まっていることが多いです。
※クラウドバンクやクラウドクレジットのように、「期待利回り」や「目標利回り」で、確定ではない(多少変動する=減ることも増えることもありえる)ものもあります。
ソーシャルレンディングでは毎月分配されるタイプが主流となっています。毎月分配を採用している案件では、元金は一括返済でも、分配金は毎月分配されます。
毎月分配でない案件の例は、Ownerbookは四半期に一回の分配、クラウドクレジットの東欧金融事業者支援ファンドや、スマートエクイティのサプリ生活ボンドなどは、満期時に一括で償還・分配されます。
【ソーシャルレンディングの分配金の目安や計算方法はこちらから】
・ソーシャルレンディングの分配金はいくら?計算方法と平均を計算
償還金と分配金の確認方法
maneoとクラウドバンクを例に、償還金と分配金の確認方法を紹介します。
maneo
maneo(maneoファミリー共通です)では、以下の手順で確認できます。
1. ログイン後の画面で運用予定表をクリックします。
2. 運用予定表の画面で「分配予定明細」をクリックします。
3. 分配予定額明細の内、「ステータス」が「分配済」となっているものが、実際の償還金や分配金です。「—」となっているのは、今後の予定です。
「内、投資元本」が償還金、「内、税引前利益」が分配金です。
以上でmaneoの全案件を合わせた償還金、分配金を確認できます。
案件毎に確認したい場合、運用予定表の案件毎の「明細」をクリックすると、確認できます。
クラウドバンク
クラウドバンクでは、ログイン直後のページの「投資収益 年間レポート」から確認できます。
クラウドバンクでは償還金、分配金と表示しています。
クラウドバンクはmaneoのような予定表はありませんので、実績のみ表示されます。
管理画面は事業者によって大きな差があります。
しかし、あくまでの償還は投資元本が返ってくるもので、分配は投資家にとっては収益です。
双方の区別を認識し、利益がいくら発生しているのか確認しましょう。
まとめ
償還は元金、分配は収益、と解説しましたが、理解は深まりましたでしょうか?
ソーシャルレンディング用語を知らなくても投資はできますが、基礎を覚えておくことも投資先を判断するうえで一つの判断基準となります。
投資初心者の方も、基礎用語を少しずつ覚えていきましょう。