2017年7月に開始し、約1年が経過したソーシャルレンディングサービスのレンデックス。民泊をはじめとする不動産案件が特徴の事業者です。
今回は株式会社レンデックスの代表取締役社長である筧氏に、レンデックスの事業運営において、これまでの実績や今後の展望について伺いました。
投資家のお金を扱うことに対する責任感
ーーレンデックスの開始から、約1年が経ちました。これまで多数のファンドを募集されていますが、実績についてはどのように捉えていますか。
これまでの募集実績は当初の想定以上です。運営母体の大きさなど信用に寄与する優位性がレンデックスには無かったため、投資家の皆様に関心を持っていただくために、もっと苦労するだろうと思っていました。
投資家にレンデックスで投資していただくには、信用が最も大切だと考えていますが、我々は新規事業者であったため、実績以外の点で何か信頼性に寄与する方法は無いかと考えていました。
そこで我々の姿勢をご理解いただく方法の一つとして、担保価値の判断に東急リバブルさんの簡易査定による評価を利用しました。初期から皆様に投資をしていただけたのには、こうした点が大きいのではないかと考えます。
加えて、レンデックスでは利回りと貸付期間にもこだわっています。
利回りについては、「リスクに対して妥当な利回り」で募集するようにしています。また現在のところ、貸付期間が長い案件は扱っていません。原則として1年以内の案件に限定することで、レンデックスでの投資を始めやすいようなファンドを提供するようにしています。
ーー事業運営を通じて大変だったことはありますか。
やはり、投資家に出資していただいたお金と自己資金とでは、融資における責任感が大きく異なります。
とりわけ返済遅延に対しては、自己資金による融資であれば状況によって許容できることもありますが、投資家のお金を扱う場合、簡単には許されないものとして捉えています。
例えば、不動産の売却によって資金を回収する、運用期間が12ヶ月の案件があったとしましょう。
仮に売却予定の不動産の建築が遅れてしまった場合、それに応じて、売却できるタイミングも遅れてしまうことがあります。
このような場合であっても、全てに手をつくし万策尽きた場合のみ返済遅延とする覚悟で臨んできます。
ーーそうした事態が起こらないように気をつけていることは?
月並みにはなってしまいますが、細やかなモニタリングが欠かせません。
レンデックスでは融資先の事業などが、想定通りに進捗しているかといった点を確認し、もし問題があればできる範囲で最大限のサポートを行います。
例えば売却先候補の紹介、借り換え先の紹介や会計・資金繰り面でのアドバイスを行なっています。私自身、公認会計士としての経験から、専門的なアドバイスができると考えています。
恣意性を抑えた担保評価
ーー融資先の選定において、以前と変化した点はありますか。
サービスを開始してからしばらくの間は、高い貸付金利で融資を行なっていましたが、現在は以前よりも低くしています。
資金需要者からすると、高い貸付金利での融資であれば他の金融機関でも借りられるため、わざわざソーシャルレンディングを利用する必要がないと言われることがあります。
他の資金調達方法がある中、高金利でも借りていただける資金需要者を対象とすると、どうしてもリスクが高い案件が多くなってしまいます。
リスクも利回りも高い案件ばかりになってしまうのは、必ずしも歓迎できることではないと考え、現在は貸付金利を抑えています。
それでも業界的に見ると、レンデックスの案件は比較的高利回りになっているかと思います。ただしこれは貸付金利だけではなく、弊社の取り分(手数料)も以前より少なくしているためです。
利回りや貸付金利については、投資家・資金需要者・弊社それぞれの需要とリスクのバランスを保って、適切な案件を提供していきたいと思います。
ーー担保の評価において気をつけている点はありますか。
レンデックスでは、できる限り機械的・客観的に評価を下し、人為的な判断が入りづらいようにしています。不動産の評価の際に、高度な知識や経験を有する専門家の判断はとても有用と考えますが、他方、人に依存し恣意性が混入することも避けたいと考えています。
現状、当社は恣意性を排除することを重んじ、このように評価しています。
例えば物件の情報を入れれば、評価額が概ね自動的に算出できるようなフォーマットを用意し、恣意的に数字をコントロールできないようにしています。こうした方法で導いた弊社による評価と第三者の簡易査定による評価を比較し、どちらか評価額が低い方を採用しています。
レンデックスで人に感謝される投資の仕組みを
ーーこの1年間で、ソーシャルレンディング業界には様々な動きがありました。昨今の動きを踏まえ、投資家の皆様が意識するべきことはありますか。
散々言われてきたことかとは思いますが、やはり分散投資が大切だと思います。まず貸し倒れはどの事業者でも起こりうることなので、1つの案件に集中投資してしまうのは避けるべきです。
加えて、昨今明らかになっているのは事業者リスクの大きさだと思います。どれだけ案件を分散していても、事業者を分散できていなければ意味がありません。
だからといって、何も考えずに事業者を分散すれば良いというわけではなく、ご自身で信頼できる事業者を選定した中で、各社のファンドに分散投資するべきですし、これにはしっかりと時間をかけていただきたいです。
ーー今後、レンデックスではどのような動きが見られるようになるのでしょうか。
レンデックスでは不動産を軸として、様々な案件を提供してきました。その中には昨今ブームとなっている民泊案件もあります。
民泊案件の運用においては認可取得など新しいノウハウが必要ですが、早期から同案件に取り組んできたことで、図らずもレンデックスの強みと考えています。弊社だからこそできるこうした案件は引き続き提供していきたいです。
また、投資家がリスクに応じて案件を選べたら面白いと思い、新しいファンドを提供することにしました。一つの不動産担保融資を、第一抵当の融資であれば低いリスクに見合った配当で、第二抵当の場合は高いリスクに対応し高配当でと、ファンドを複数組成し投資家の好みに応じて選択できるようにしています。
さらに、これまでは不動産案件のみを提供していましたが、今後は海外案件なども扱っていきたいと考えています。
ーー最後に投資家の皆様へのメッセージはございますか。
やはり投資家の皆様にお金を返せないというのは、理屈では起こりうるものの、絶対に避けなければいけないという認識を持っており、たびたび、夢に見てしまうほど心血を注ぎながら事業を行なっています。
また、レンデックスを始めた頃から考えておりましたが、せっかくこうした事業をやるのであれば、社会貢献性にもこだわっていきたいです。融資というのは本来はお金の流れを作る仕組みですし、多様な種類の案件を通じて、人に感謝される投資をレンデックスを通じて作りたいですね。
しっかりと投資家の皆様の方を向いてサービスを運営していきながら、社会にも投資家の皆様にも役立つ仕組みとして発展させていきたいと思います。
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