Renosy(リノシー)クラウドファンディング事業責任者インタビュー

Renosy(リノシー)クラウドファンディング事業責任者インタビュー

AIテクノロジーを活用した不動産事業を展開し、マザーズ市場に上場している株式会社GA technologies(以下、GA technologies社)。

同社は2018年7月に中古不動産流通サービス「Renosy(リノシー)」で、不動産投資型クラウドファンディングサービスをリリースしました。

今回は金融ソリューションチームとInvestor Relationsチームを統括し、Renosy(リノシー)クラウドファンディングの事業責任者を務めている富本氏に、投資型クラウドファンディング事業参入の経緯や今後の展開についてお話を伺いました。

中古不動産市場の活性化に取り組む

Renosy(リノシー)クラウドファンディング事業責任者インタビュー

ーーまずはGA technologies社の事業について教えてください。
弊社はテクノロジーとリアルを融合したワンストップ型中古不動産流通プラットフォームの「Renosy(リノシー)」を展開しています。

Renosyでは、都市部を中心とした多様な物件情報を提供しているほか、お問い合わせいただいたお客さまには弊社のエージェントが対応して、不動産の売買・仲介を行なっています。

また不動産オーナーさまの物件管理を支援する「Renosy Insight」というアプリも提供しており、豊富な物件情報の提供から物件購入後のサポートまでできるサービスを展開することで、中古不動産市場の活性化に取り組んでいます。

AIを活用して物件を選定

ーーRenosyクラウドファンディングの特徴について教えてください。
Renosyクラウドファンディングは、弊社が選定した、都市部の築浅のワンルーム・1Kの中古区分マンションに一口1万円から投資できるサービスです。

物件の選定にAIを活用していることが特徴で、まず弊社は毎月約6,000件の物件情報を、自社開発システムの「Tech Supplier」で画像認識を用いてデータベース化しています。

このデータベースを弊社仕入れ担当者のノウハウを学習して得られた識別アルゴリズムを用いて自動スクリーニングし、候補を数%にまで絞り込みます。仕入れ担当者は絞り込まれた物件の中で投資家の皆様に提供できる物件を、迅速に精査・選定してRenosyクラウドファンディングで出資の募集を行います。

またRenosyはプラットフォームサービスのため、物件のマッチング力が強く、物件を売りに出してから、平均して約2週間で売却できています。

そのため、投資家の皆様からお預かりした資金で購入した物件も、比較的安定的に売却まで結び付けることができるのも特徴です。

Renosy(リノシー)クラウドファンディング事業責任者インタビュー

ーーRenosyクラウドファンディングをリリースした経緯について教えてください。
弊社の扱う物件は基本的に都市部で築浅の中古の区分マンションです。

そのため最低でも1,000万円、ほとんどの物件は2,000万前後の価格帯となっており、ローンを組んでご購入いただくのが大半となります。

ただし、この金額のローンを組めるお客様は比較的安定した上場企業等にお勤めの方であったり、長期のローンが組める25歳〜45歳前後に年齢層が限定されてしまったりするため、物件を購入できる方が成人の約1割程度に限定されてしまうことが課題でした。

実物の不動産投資では、まとまったお金を用意することが難しい方も多いと思いますが、クラウドファンディングの仕組みを活用すれば、一口1万円という少額から不動産投資ができるようになります。より多くの方に不動産投資に触れていただく機会を提供していくことで、Renosyを活用いただける方も増えていくと考え、Renosyクラウドファンディングをリリースしました。

ーー御社の株主にはすでにクラウドファンディング事業に参入しているTATERU社がいます。なにか事業のアドバイスなどはあったのでしょうか。
TATERU社は主要な株主として弊社にとって大きな存在で、日常的にもやり取りが多いです。

クラウドファンディングの領域においてもファンドの応募の受付や顧客管理のシステム面など、基本的なところも含めて様々なアドバイスをいただいております。

ーー今後、2つのサービスで連携していくなどの可能性はあるのでしょうか。
現時点ですぐにというのはなかなか難しいところはありつつも、例えばそれぞれのサービスに登録しているお客さまが両方のサービスの募集ファンドを都度選択して応募できるようにするなどの形で、連携は模索したいですね。

健全な運営ができる体制を構築

Renosy(リノシー)クラウドファンディング事業責任者インタビュー

ーーRenosyクラウドファンディングはどのような体制で運営されているのでしょうか。
主にRenosyクラウドファンディングに関わっている部署は、運用する物件を選定して仕入れを行う部署と、ファンドの企画・運用を行う部署になります。

まず物件の仕入れについてですが、Renosyクラウドファンディングは不動産特定共同事業法に基づいたサービスのため、物件の詳細な情報を開示できることもあり、可能な限り運用する物件に関する情報を開示して透明性を高めていくようにしております。

その中で、投資家の皆様が運用対象の物件の情報を見ても本当に良いと思えるような物件を提供できるよう、自社開発のシステムを用いて物件選定の効率化を図る一方で、6名の仕入れ担当者を置き、物件仕入れの最終的な意思決定には慎重を期しています。

ファンドの企画・運用を行う部署では、ファンドの内容を企画して出資の募集や運用を行い、運用終了後の報告書などの作成も行なっております。その他、クラウドファンディングのサービスに関わる許認可取得手続きや、webサービスの設計に関わる業務も行なっております。

また、運用期間中のコンプライアンス体制としては、ファンドごとにそれぞれで分別管理口座を作っているほか、財務の人間だけがお金を動かせるような状態にしているため、ファンドの企画・運用を行なっている部署の社員などが投資家の皆様からお預かりしている資金を別目的に流用できないように、職権を意図的に分断して、不正が起こらないようにしています。

今後の展開について

Renosy(リノシー)クラウドファンディング事業責任者インタビュー

ーー今後募集予定のファンドについて教えてください。
第1号ファンドでは、期待利回り8%、運用期間3ヶ月といった条件でしたが、当面はこれくらいの水準の利回りで、運用期間は最大6ヶ月までのファンドを出していく予定です。

ーーファンドを募集する頻度や募集金額はどのくらいなのでしょうか。
月に1件はファンドを出してきたいと思います。また1つのファンドあたりの募集金額は1,500万円から2,000万円くらいを想定しています。

ーー最後に投資家へのメッセージをお願いします。
Renosyクラウドファンディングで募集するファンドは、物件所在地や入居状況などの情報が開示されているほか、一口1万円からという少額から投資が可能です。

これまで不動産投資を経験していない方に向けても、当サービスを通じて少しでも多くの方に不動産投資を経験できるように機会を提供していきたいですね。

加えて、それでも不動産投資は少し敷居が高かったり、リスクの高いイメージを持っている方も多くいらっしゃると思いますので、サービスの説明資料の拡充やセミナーの実施などを通じて、投資家の皆様にしっかりとサービスの魅力や価値を伝えられる機会も増やしていきたいと思います。