元武富士支店長から見た日本のソーシャルレンディングの現在と未来

元武富士支店長から見た日本のソーシャルレンディングの現在と未来

ロドスタの略歴

元武富士支店長から見た日本のソーシャルレンディングの現在と未来

はじめまして、「ロドスタのソーシャルレンディングブログ」の管理人であるロドスタと申します。

私は1999年に大手消費者金融だった武富士に新卒で入社しました。

当時は全国津々浦々に支店があり、支店の業務を中心に、支店長や本社勤務の経験もしました。

その後は武富士以外のノンバンクでも働き、タイのバンコクでもコンシューマー・ファイナンス業務に携わった経験もあります。

投資遍歴

元武富士支店長から見た日本のソーシャルレンディングの現在と未来

初めての投資は2004年頃から始めた中国株です。その後はタイ株などにも投資するようになりました。

私の株式投資のスタンスは、基本的に長期投資で、銘柄数も両手で数えれる程度の集中投資をするようにしています。

幸運な事に株式投資が上手くいっていたので、インカムゲインの投資先がないかと調べていた中で、ソーシャルレンディングに興味を持ちました。

現在のソーシャルレンディング投資状況

ピーク時には8,500万円ほど投資していましたが、ソーシャルレンディング事業者の不祥事や別の投資商品にも魅力を感じた関係もあり、現在は4,400万円ほどに減っています。

投資家視点から見たソーシャルレンディングのメリット・デメリット

元武富士支店長から見た日本のソーシャルレンディングの現在と未来

メリット1.毎月分配が得られる
メリット2.時間を味方に付けられる

一般的にソーシャルレンディング投資で得られる分配金は毎月入ってきます。※満期一括返済を除く

株式投資やREITだと、特定の日に株式を保有しておく必要がありますが、ソーシャルレンディング投資では、保有するタイミングなどを気にせず、、投資したい案件を吟味して毎月分配を得ることが可能です。
この点ではソーシャルレンディング投資の方がより時間を味方に付けられると私は思います。

デメリット1.流動性がない
デメリット2.匿名問題

ソーシャルレンディングの大きなデメリットとしては、一度投資すると途中で換金できないことが挙げられます。

投資した後に別の案件に乗り換えたいと思っても、償還日を待つしかないです。

また大きな問題として借り手の匿名化問題もあります、ただこの問題は近いうちに解決する可能性もあるので、今後どうなるか見守っていきたいと思います。

貸金業の視点から見たソーシャルレンディングのメリット・デメリット

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メリット1.銀行やノンバンクが手を出さない(出せない)有望な市場にアクセスできる

銀行の融資は、どうしても石橋を叩いて渡るような面があります。不動産担保でも充分な担保余力があるのに、融資をしないケースも多々ありますし、融資申し込みから実行までの時間も多くかかってしまう傾向があります。

ノンバンクは融資申し込みから実行まではスピードが早いのですが、どうしても一顧客あたりに融資できる金額に上限があります。
例えば融資残高200億円のノンバンクが一顧客に30億円の融資ができるかと言ったら、貸し倒れのリスクを考えると、通常のノンバンクは融資の判断はできないでしょう。

しかしながら、ソーシャルレンディング事業者では200億円の融資残高があっても、1顧客に30億円貸付する判断も可能です。実際に、大手ソーシャルレンディング事業者では十数億円や数十億円の案件がいくつもあります。

デメリット1.ソーシャルレンディング事業者の利ざやが少ない
デメリット2.分散効果を得るのが難しい

ソーシャルレンディング事業者は投資家に利益を配分する必要があるため、貸金業者と比較すると、取り分は少なくなってしまいます。そのため、ソーシャルレンディング事業者の黒字化も容易ではないと私は思います。

そうすると、ソーシャルレンディング事業者はノンバンクが手がけることが出来ない大型案件の市場を開拓しながら利益向上を目指していくことで、全体として案件数が少なくなり、リスク分散の効果を得ることが難しくなってくるのではと予測しています。

現在のソーシャルレンディングの課題とこれから

元武富士支店長から見た日本のソーシャルレンディングの現在と未来

ソーシャルレンディング業界の長年の懸念事項であった匿名化の問題は解決に向かっています。

借り手の情報が明らかになるのは良い方向だとは思っていますが、何事もメリットばかりではないと思います。

ソーシャルレンディングの借り手企業が明らかになることにより、銀行やノンバンク、他のソーシャルレンディング事業者が借り手企業に営業を掛けるかもしれません。

その事がソーシャルレンディング事業者にとってマイナスになる可能性もあるのではと思います。

また案件の紹介方法や担保の査定基準等も業界団体でなんらかの統一ルールを定めて頂くことも必要なのではと私は考えています。

おわりに

元武富士支店長から見た日本のソーシャルレンディングの現在と未来

私はどの投資商品もメリット・デメリットがあると思いますし、またタイミングも重要だと思っています。

例えば株式投資をしている方が、市場が過熱し過ぎていると感じて、当分の間はソーシャルレンディングをつなぎ投資として利用するということも、ソーシャルレンディングの上手な使い方の一つだと思います。

色々な投資商品の中の選択肢として、ソーシャルレンディングは検討に値する投資の一つなのではないでしょうか。