「鎌倉発 全国で新しいまちづくりを仕掛ける」ーーエンジョイワークスインタビュー

「鎌倉発 全国で新しいまちづくりを仕掛ける」ーーエンジョイワークスインタビュー

鎌倉を拠点に、様々な不動産事業を展開する株式会社エンジョイワークス。(以下エンジョイワークス)

同社は2018年5月に全国初となる小規模不動産特定共同事業者への登録が完了し、まちづくり参加型クラウドファンディングサービス「ハロー!RENOVATION」を正式リリースしました。

今回はエンジョイワークス取締役の松島氏にクラウドファンディング事業への参入経緯や今後の展開についてインタビューをしました。

地域で暮らすことをジブンゴト化してもらえるように

「鎌倉発 全国で新しいまちづくりを仕掛ける」ーーエンジョイワークスインタビュー

ーーまずはエンジョイワークスの事業について教えてください。
エンジョイワークスを一言で表すと、ボトムアップでのまちづくりをサポートする会社です。

創業当初から、多様性があり持続可能な良いコミュニティができるまちづくりをしようという想いをずっと持っており、鎌倉逗子葉山を拠点に、不動産仲介や建築の設計をはじめとした、不動産に関わる様々な事業を運営しています。

単純に不動産を紹介したり、要望のままのものを提案するのではなく、地域で暮らすことをジブンゴト化する仕掛けを提供しています。例えば、家づくりにおいてもお客様が図面を描き、模型をつくるなど、一緒に議論しながら進めることで、ジブンゴト化していくサポートをしています。

ーー鎌倉を中心に事業を展開しているのはなにか理由があるのでしょうか。
会社を創業する時点で、事業を行うエリアをどこにするかという部分は慎重に検討していました。

その中で、多様性のある良いまちづくりが受け入れられている鎌倉や逗子、葉山であれば私達の想いを伝えやすいと考え、現在も鎌倉を拠点にしています。

「ハロー!RENOVATION」のキッカケは逗子の廃工場

「鎌倉発 全国で新しいまちづくりを仕掛ける」ーーエンジョイワークスインタビュー

ーー「ハロー!RENOVATION」の特徴を教えてください。
「ハロー!RENOVATION」はまちづくり参加型クラウドファンディングプラットフォームで、物件を所有している人、物件を活用した事業を企画している人、支援者・投資家の3者のマッチングを行なっています。

2017年2月からβ版としてリリースしていましたが、2018年5月に全国初の小規模不動産特定共同事業者への登録が完了したことで、購入型・投資型のプロジェクトができるまちづくり参加型クラウドファンディングとして正式リリースをしました。

プロジェクトのアイデア会議への参加や、実際の物件のDIYを手伝うなど、お金以外で支援するようなこともできますし、1口数万円からWebサイトに掲載されている不動産に投資を行い、利回りを得ることも可能です。様々な方法で、事業に「参加」することができるプラットフォームです。

ーー「ハロー!RENOVATION」を始めた経緯について教えてください。
「ハロー!RENOVATION」を始めるヒントになったのは、3年ほど前から逗子で運営しているシェアアトリエです。

逗子周辺にはクリエイターやアーティストの方々が多くいるのですが、リーズナブルでちょうど良い創作活動の場がありません。このようなニーズを共有するためのイベント「そんな物件ねーよ!をつくる会議」を主催して、その場に何人かの投資家にも同席いただきました。

もともと私達のほうでシェアアトリエに使えそうな廃工場を用意していたのですが、この物件の新しい使い方をクリエイターやアーティストの方と話し合っている中で、「こんな面白いアイデアを持つ人たちが来るのであれば、ぜひ投資をしたい」と言ってくださった方が、その廃工場を購入してくださいました。

そしてリノベーションをしていく段階でも、実際に入居を検討しているクリエイターやアーティストの方々にもDIYなどに参加いただきながら進めた結果、15ブースあるスペースが完成前に埋まり、最初から満室稼働で始めることができたのです。

現在でも僕らが新規入居者の仲介をせずに、入居している方が次の方を呼んでくることも多く、僕らが多少新規入居者の仲介をする程度で、ほぼ満室稼働を続けています。

このような取り組みをWebサイト上で実現し、全国各地で広げていくことができるのではないかと思ったのが、「ハロー!RENOVATION」をリリースしたキッカケです。

まちづくりにもっと深く参加してもらえる機会を増やしたい

「鎌倉発 全国で新しいまちづくりを仕掛ける」ーーエンジョイワークスインタビュー

ーー「ハロー!RENOVATION」が購入型だけではなく、投資型の案件も提供する理由はなんでしょうか。

事業に投資していただくことで、購入型よりも中長期的にまちづくりに参加していただきやすいため、投資型のプロジェクトは欠かせないと思っています。

投資型クラウドファンディングは、事業の進捗がリターンに直接影響しますし、株主のような形で事業に参加したという関係性を作れることなどにより、投資家の方々がまちづくりにもっと深く参加してもらえる機会になるはずです。

ーー既に第一号となる投資型クラウドファンディング案件も公開していますね。
第一号案件は「泊まれる蔵プロジェクト」という投資型のプロジェクトで、葉山にある古い蔵をリノベーションして宿泊施設として運営する事業でした。

利回りは4.0%(税引前)、1口あたり5万円からに設定していましたが、初日に募集金額600万円に到達しました。

投資してくださった方には、単純に自分の資産を増やしていきたいという方もいると思うのですが、「ハロー!RENOVATION」の目指す先に共感してくれたり、将来的に自分が事業をするためのノウハウを知りたいという方も多かったという印象を持っています。

今後は地元エリア以外の案件も

「鎌倉発 全国で新しいまちづくりを仕掛ける」ーーエンジョイワークスインタビュー

ーー今後の対象エリアについて教えてください。
鎌倉逗子葉山が「ハロー!RENOVATION」の注力エリアであることは今後も変わりません。直近では、7月10日(火)よりファンド募集開始を予定しています。

これに加えて、今後は、地元エリア周辺地域以外も募集していく予定です。現在は、銀座と京都にある物件について計画を進めています。

まちづくり参加型というコンセプトの軸は変わりませんが、投資家のみなさんを始め、様々な方がまちづくりに関わっていただけるよう、各地域と連携しながら様々な案件に取り組んでいきたいと思います。

また、最初の案件は4%でしたが、様々な想定利回りの案件に対する反響をみたいと思いますし、数字以外にも面白いと思ってもらえるような仕掛けを作りながら、今後の案件を出していきたいです。

ーー購入型の案件もさらに出していくのでしょうか。
購入型は投資型に興味を持ってもらうための仕掛けとして今後様々な案件を出していく予定です。

その事業の一部を体験してみたり、まちのことを知るキッカケになったりすることで、こういうコンセプトのまちづくりをしているんだと共感していただけるような仕組みを作りたいと考えています。

例えば、投資型の第一号案件である「泊まれる蔵プロジェクト」では、現在購入型クラウドファンディングの募集をしています。

購入型では葉山の人たちと交流できるリターンや、エンジョイワークスの社員と一緒に葉山を体験できるリターンなどを用意しています。また、投資型と同様に施設の開業から運営までの事業実績の情報開示・共有を受けたり、イベントへの参加ができる仕組みになっています。

これからの新しいまちづくりの形を作っていきたい

「鎌倉発 全国で新しいまちづくりを仕掛ける」ーーエンジョイワークスインタビュー

ーー「ハロー!RENOVATION」の今後の展開について教えてください。

「ハロー!RENOVATION」を広く活用いただくためには、各地域とのつながりが大切です。その地域に関係している方々と一緒に合弁会社を設立することもあるかもしれません。

そのために、まずは各地域の人や会社とより広く深くつながっていきたいですね。結果として、それが他にはない魅力的な案件のキッカケになり、まちづくりが自走していくことにつながると考えています。

また「ハロー!RENOVATION」を正式リリースして、時にプロジェクトリーダーになる方もいれば、まずはノウハウを知りたいという方、実際に投資する側になる方など、関わってくださる方々が役割を入れ替えながら進んでいくことが、これからのまちづくりをする新しい形になっていくのではないかと感じました。

「ハロー!RENOVATION」の案件数はまだ多くありませんが、地域の方々が様々な役割を持ちながらまちづくりに関われるプロジェクトを作っていきたいと思います。

ーー最後に投資家へのメッセージをお願いします
ハロー!RENOVATIONでは「ハロー!RENOVATIONクラブ(通称・ハロリノクラブ)」というコミュニティを作っています。

想いのある事業をサポートしたい方や、これから事業をはじめたいと考えている方、地域のコミュニティづくりに興味がある方など、様々な人が出会うことで、ボトムアップの新しいまちづくりが生まれる場所を目指しています。

このような「ハロー!RENOVATION」の想いに共感していただける方々と一緒に、サービスを成長させていくことができれば嬉しく思います。

「鎌倉発 全国で新しいまちづくりを仕掛ける」ーーエンジョイワークスインタビュー
クラウドファンディング事業責任者のエンジョイワークス 取締役小川氏