「専業投資家の人生は終わらない夏休み」ーーソーシャルレンディング投資家小山数樹氏インタビュー

「専業投資家の人生は終わらない夏休み」ーーソーシャルレンディング投資家小山数樹氏インタビュー

こんにちは。中田健介です。
今回は、ソーシャルレンディングを中心に投資している専業投資家で、ブログ「ソーシャルレンディングの歩き方」を運営する小山数樹氏にインタビューしました。

小山氏が専業投資家になった経緯やソーシャルレンディング投資のスタイル、専業投資家を目指す方へのアドバイスなどを伺いました。

専業投資家になった経緯

「SL専業投資家の人生は終わらない夏休み」ーーソーシャルレンディング投資家小山数樹氏インタビュー
ーー年齢と職業を教えてください。
30代半ばで、職業は専業投資家です。

ーー投資を始めたのはいつですか。
父が高度経済成長期から株式投資をやっていて、投資をするのが当たり前といった家庭環境で育ちました。

私が中学生のころ、父が新日本証券(現:みずほ証券)で私の証券口座を開設してくれ、預貯金代わりに中期国債ファンド(MMF)にお小遣いを投資したのが投資のきっかけです。

大学生になってからは現物の株式投資や外貨預金も始めました。外貨預金を運用していたのは主に為替差益を得ることが目的です。

ーー専業投資家になったのはいつですか。
2013年に、遺産相続したことをきっかけに専業投資家となりました。

ーーそれまではどんな仕事をされていたのですか。
公立高校の職員などをしていました。また遺産を相続するまでの間、働いていない期間も数年間ありましたね。

ーー専業投資家になったとき、資産総額はいくらくらいだったのですか。
自分がそれまでに築いた資産と相続したものを合わせて当時8,000万円ほどです。

ーーどのように投資の勉強をされたのですか。
最初は書籍で株式投資などの勉強をしましたが、それ以降は実践あるのみですね。

株式投資以外では、ある不動産投資案件にも投資しており、もうじき満期を迎えるので、その償還金もソーシャルレンディングに投資する予定です。

他には、株式と連動して利回りが決まるデジタルクーポン債やブラジル国債、イオン銀行の社債など、インカムゲイン型の商品に投資してきました。また、ドル建ての終身年金保険にも入っています。

ソーシャルレンディング投資のスタイル

「SL専業投資家の人生は終わらない夏休み」ーーソーシャルレンディング投資家小山数樹氏インタビュー
ーーソーシャルレンディング投資を始めたのはいつ頃ですか。
ソーシャルレンディング投資は2016年9月からです。

ポイントサイトでソーシャルレンディングの広告を見つけて興味を持ち、中田さんの書籍で勉強してから投資を始めました。

ーー現在投資しているサービスはどこですか。
maneo、LCレンディング、クラウドリースなど、maneo系の事業者に加えて、クラウドクレジット、クラウドバンク、オーナーズブック、SBIソーシャルレンディングなどでも投資しています。分散投資のために幅広く投資するようにしています。

ただ、最近は一部問題となっている事業者もあるため、投資金額の比率は見直そうと考えています。

ーー現在のソーシャルレンディング投資額はいくらくらいでしょうか。
現在は合計で1,000万円以上です。

今後は4,000万円ほどさらに投資する予定です。

現在投資している1,000万円と追加投資予定の4,000万の合計5,000万円投資すれば、年利8%としても年間400万円ほどの収益にはなります。

他の投資収益も合わせれば生活していくには充分です。

ーーソーシャルレンディングの投資スタイルを教えてください。
1年以上運用されるもので、元利均等返済のファンドを中心に投資しています。

短期のものだと待機期間の影響でパフォーマンスが落ちるので、あまり投資していません。

また、元利均等返済だと、毎月元本が返ってくるので機動的に再投資ができます。

ただ、今後は現金が必要になる場合にも備えて、運用期間が比較的短いファンドにも投資していきたいと考えています。

投資テーマについては特にこだわりはなく、海外案件や担保の無い案件にも投資しています。

ーー投資の際に気を付けていることはありますか。
貸付先が重複しないようにチェックしています。

貸付先が識別できない事業者も中にはありますが、そういう場合は案件内容から判断しています。

ーーソーシャルレンディング投資の良いところはどんなところでしょうか。
1番良いところは価格変動が基本的になく、手間がかからないことです。

株式投資だと相場の分析などに時間がかかりますが、投資にあまり時間を割きたくないため、今は価格変動のある投資はあまりやっていません。

ーーソーシャルレンディングのデメリットや懸念はありますか。
最近行政処分を受ける事業者もあり、やはり事業者リスクが一番の懸念点です。ある事業者へのソーシャルレンディング投資で損失を出したこともあります。

今後は長く営業していて、実績のある事業者を中心に選んでいきたいと思います。

また不動産投資で利回りが比較的高いファンドもありますが、そうしたファンドは売却してキャピタルゲインが得られることを前提にしているのだと思います。

想定通りに行けばよいですが、うまくいかなかった場合のリスクも考える必要があると考えています。

ーーサービス事業者に改善してほしいところはありますか。
借り手に関する情報をもっと開示してほしいというのが一番です。借り手の匿名化はなるべく早く撤廃されて欲しいと思います。

また、海外投資を行う事業者では、資産を外貨でも保有できるようにしてほしいです。現状だと返済タイミングで必ず円に両替されるため、為替相場によりリターンが大きく変動してしまいます。

外貨で保有できるようになれば、為替変動の大きな通貨でも投資しやすくなるでしょう。

ーーソーシャルレンディングに関して、もっとこういう情報があったらよいのに、と思うものはありますか。
サービス事業者の信用度に関する情報がもっとあると良いですね。第三者的な機関の信用格付けなどがあればよいのですが。

また、財務内容を公開していない事業者も多いのですが、是非公開してほしいと思います。

専業投資家としてのライフスタイル

「SL専業投資家の人生は終わらない夏休み」ーーソーシャルレンディング投資家小山数樹氏インタビュー
ーー平均的な一日の過ごし方を教えてください。

最近は22~23時頃に寝て、4~6時ごろに起きるようにしています。今は会社勤めで勤務時間があるというわけではないので、気を抜くと生活のリズムが乱れがちになってしまいます。

そうならないように、毎朝決まった時間にラジオ講座で語学を勉強しています。

その後は、投資関連のブログやメルマガをチェックし、良さそうなソーシャルレンディングのファンドがあれば投資します。

事業者の行政処分やデフォルトといったニュースがあれば素早く情報収集などに動く必要がありますが、それ以外は特に時間のかかることはありません。

午後は掃除・洗濯・買い物などの家事をします。また、時間があるので法律関連資格の試験勉強や読書もしています。平日も土日もほぼ同じ生活です。

ーー専業投資家になってから何か苦労したことはありますか。
特にありません。強いて言えば、自由時間が多すぎるということでしょうか。自由時間をどのように計画的に使うかということが最大の課題です。

株式投資家として専業になると利益を出さなければというプレッシャーを感じることもあるようですが、ソーシャルレンディングではそうしたプレッシャーはあまり感じません。

ーー専業投資家を目指す方に何かアドバイスがあればお願いします。
専業投資家の人生は終わらない夏休みのようなものです。

フルタイムの仕事をする代わりに何かやりたいことがあるならよいですが、そうでなければ時間を持て余してしまいますね。

特にやりたいことがないのにソーシャルレンディング専業投資家になり、自堕落な生活を送ってしまうような状況を避けるためにも、規則正しい生活を心がけ、短期的な目標と中長期的な目標を立てるとよいと思います。

また、資産を失ったら生活できなくなってしまうので、現在仕事がある方で仕事を辞めたいと感じている方は、タイミングをしっかりと見計らった方が良いと思います。

インタビューを終えて

私自身も将来専業投資家を目指しているので、今回のインタビューは個人的にも大変興味を持って臨みました。

ソーシャルレンディングをメインで手掛ける専業投資家はまだ非常に少ないと思いますが、小山氏のお話を伺い、決してなるのは不可能ではないと感じました。