投資家から資金を集め、お金を借りたい企業へ貸付を行うという仕組みで急拡大中のソーシャルレンディング。金融、不動産業を中心に多数の企業が参入を検討しています。
ソーシャルレンディングを円滑に運営していくために欠かせないのが”システム”です。ところが、このシステム開発がボトルネックとなり、プロジェクトが頓挫するケースが散見されます。
ソーシャルレンディングで募集を行う会社は金融商品取引業者としてサービスを運営しなければならず、購入型クラウドファンディングのシステムに比べ、より厳格な仕様設計が求められます。
定番化されたパッケージソフトなどもまだ存在していないため、システム構築に頭を悩ます方は多いでしょう。
今回の記事ではソーシャルレンディングのシステム開発の外注を検討している企業向けに、費用や外注先を選ぶ際のポイントなどを紹介します。
ソーシャルレンディングのシステム開発における難しさ
ソーシャルレンディングは金融商品を取り扱うため、通常のシステム開発と比較して、厳格な仕様設計が求められます。
金融商品取引法や犯罪収益移転防止法等に基づき、ソーシャルレンディングのシステムでは、例えば以下のような機能が必要となります。
※上記はソーシャルレンディングのシステムを構成する上で必要と考えられる機能の一部を例示したものです。必要な機能全てを網羅しているわけではありません。
これらの機能を各業法に沿って適切に開発するには、開発業者にソーシャルレンディング実務の豊富な知見が必要です。
法定帳簿が備え付けられていなかったり、システムエラーによって預かり金に齟齬が生じてしまうなどの事象が発生した場合には、行政処分の対象となる可能性があります。一般的なサービスと異なり、金融システムの開発は慎重に慎重を重ねる必要があります。
では、どのような観点で開発パートナーを選定したら良いのでしょうか。確認すべきポイントを以下にまとめました。
ソーシャルレンディングのシステム開発会社の選び方
外注先の選定において考慮するべきポイントを解説します。
実績・専門性
開発会社にソーシャルレンディング業務の知見があるかを確認しましょう。
実際に稼働しているソーシャルレンディングシステムの開発実績があれば申し分無いですが、もし実績が無いのであれば、適切な仕様設計ができる根拠が欲しいところです。
例えば、プロジェクトチームにソーシャルレンディング事業の実務経験があるメンバーがいる、過去に仕様の近似する金融システムを開発した経験があるなど、安心して任せられる材料があるかどうかをチェックすべきです。
パッケージソフトの場合、デモ画面などを用意しているケースもあります。その場合には、ぜひ事前に触らせてもらいましょう。
使い勝手や細部の作り込みなどを確認し、実際の運用に耐えうるものかどうかを確認してください。ユーザーサイドの見栄えが良くても、管理画面の機能が不十分である場合もあります。
開発会社側に十分な説明を求め、納得行くまで検証することが重要です。
料金
2018年8月現在、ソーシャルレンディングのシステム開発費用は1,500~3,000万円程度が相場となっています。※フィンテナ調べ
依頼する機能やデザインの要件によっても、金額は増減しますので、まずは予算をはっきりと伝えて、開発会社と一緒に実装機能の優先順位について検討を行うと良いでしょう。
気をつけなければいけないのは、価格の安さだけで開発会社を選定することです。
初期費用は安くすんだとしても、機能が不十分であったり、使いづらかったりなどで後々改修が必要になってしまっては本末転倒です。
あくまで実績や技術力があることを前提に、価格や納期など多様な観点から慎重な検討を行うことをおすすめします。
スケジュール(納期)
開発完了までの期間については、フルスクラッチの場合、6~9ヶ月程度、パッケージの場合は2~3ヶ月ほどかかることが多いようです。
特にフルスクラッチで開発する場合には、仕様設計にかなりの時間を要することになります。
焦って中途半端な状態のシステムをリリースしてしまっては事故の元です。ゆとりあるスケジュールを組みましょう。
開発会社のリソース状況によっても納期は左右されます。料金と合わせて事前に見積もりを依頼すると良いでしょう。
事業者選定から納品までの流れは概ね下記の通りです。おおまかな流れは一般的なシステム開発と同様です。
- 問い合わせ
- 依頼内容のヒアリング
- 提案・見積もり
- スケジュール確定
- 仕様策定
- 開発
- 納品
なお、依頼内容のヒアリングや開発自体により長い期間を要する可能性があることは念頭に置いておきましょう。
まとめ
ソーシャルレンディング事業を成功に導く為には、優れたシステムの実装が欠かせません。
一方で適切なシステム会社を選定するにも、ノウハウや経験が必要となります。
フィンテナでは、システム外注を検討している企業様や自社開発の際の仕様設計に悩む企業様に対して、ソーシャルレンディングを含む投資型クラウドファンディングシステムについての無料相談を実施しています。
実際にソーシャルレンディングの実務経験があり、複数の事業者に対して仕様設計コンサルティングを行なってきた専門家が、貴社の最適な開発パートナー選び、仕様設計のお手伝いをさせていただきます。
もしシステム開発でお悩みの事業者様がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。
問い合わせ先:フィンテナ