【2018年版】クラウドクレジットの評判や口コミ、メリット・デメリットを徹底解説!

【2018年版】クラウドクレジットの評判や口コミ、メリット・デメリットを徹底解説!

新興国を中心とした海外のファンドに特化したソーシャルレンディング事業者のクラウドクレジット。

メディア露出も多く、『ガイアの夜明け(テレビ東京系・1/16放映)』で取り上げられ、その社会貢献性から様々な口コミが見られました。

ソーシャルレンディング事業者のWebサイトでは、「利回り◯%!」や「不動産に特化」など各事業者の特色がうかがえますが、投資家から受ける評判やその真偽も気になります。

今回はクラウドクレジットについて、特徴や評判、投資実績など様々な点を徹底解説していきます。

クラウドクレジットとは

クラウドクレジット
※旧ロゴ
クラウドクレジット
※新ロゴ(2018年8月15日以降)

まずクラウドクレジットがどのようなサービスなのか説明します。

クラウドクレジットはクラウドファンディングの類型の1つであるソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)に分類されるサービスです。

ソーシャルレンディングとは個人から比較的小口のお金を集め、それを大口化してお金を借りたい企業に融資する仕組みです。借り手企業が返済した金銭から投資家に利益の分配が行われます。

FinTech(フィンテック)サービスの1つでもあり、昨今注目を浴びています。

ソーシャルレンディング各社はそれぞれ取り扱うファンドに特色があります。

中でもクラウドクレジットは新興国を中心とした海外のファンドに特化したソーシャルレンディング事業者です。

こうした対象で事業を展開するソーシャルレンディング事業者は国内では唯一です。

その独自性から、分散投資の観点で選ばれていることも多いでしょう。

クラウドクレジットの良い評判3つ

クラウドクレジットの良い評判3つ

クラウドクレジットの良い評判は、「高い利回り」「大手企業との資本提携」「積極的な情報発信」の主に3つが挙がっていました。

【評判1】海外案件に特化しており、高い利回りが期待できる

2018年9月時点のクラウドクレジットで取り扱われている案件の平均利回りは約8.3%となっています。
以下の画像は、直近2年間のクラウドクレジットで取り扱われている案件の平均利回り推移を示しています。

クラウドクレジット_平均利回り
参照サイト:フィンテナ データ・会社概要より

クラウドクレジットが募集する案件の平均利回りは、10%前後を出している月も過去にありましたが、2017年9月以降はソーシャルレンディング全事業者の平均利回りと同水準となっています。

以下の画像は、案件のテーマ別割合を示しています。

クラウドクレジットの評判・口コミは本当?事実に基づいて検証
参照サイト:フィンテナ データ・会社概要より

全期間で246件(2016年8月時点)のファンドが掲載されていますが、海外個人ローンと海外事業性資金のみで、国内のファンドはありません。海外の上限金利は数十%や設定がないなど、日本の事情と大きく異なっているため、利回りも高い水準となっているのです。

【評判2】伊藤忠商事と資本業務提携している

2015年3月に国内大手総合商社である伊藤忠商事株式会社は、クラウドクレジットの発行済み株式の18%を約2億円超で取得しています。※1
スタートアップ企業はサービスをより成長させるため、エンジェル投資家やVC(ベンチャーキャピタル)などさまざまな関係者から資金調達をすることが多いです。

その中で伊藤忠商事株式会社が投資をするということは、クラウドクレジット並びにソーシャルレンディング事業の成長から、大きなリターンが期待できると見込まれていると考えられます。

こうした大手企業が株主になっているという点は、ソーシャルレンディング事業者への信頼が高まる1つのポイントになっているようです。

【評判3】ブログ、セミナーなど情報発信を積極的に行なっている

クラウドクレジットは、これまでに50回のセミナー開催、50本の動画コンテンツ、数百本のブログ記事配信など積極的な情報発信を継続的に実施しています。※2

他の企業ではブログを作っていなかったり、セミナーを開催していてもどのような内容だったのかを公開していなかったりします。ソーシャルレンディング事業者を信頼できるかどうかは、こういった情報発信を行なっていることかも1つのポイントのようです。

【評判4】ファンド内でリスク分散が効いている

ソーシャルレンディングは企業などに貸付を行うモデルのため、返済が行われないとファンドが遅延したり貸し倒れとなってしまいます。

貸し倒れによる損失リスクを避けるために重要なのが「分散投資」です。
分散投資とはファンドのテーマや投資する金額などを分散することです。

1つのファンドあたり、複数の資金需要者に融資しているソーシャルレンディングですが、実質的には1ファンドがその多くを占めることがよく見られます。

そんな中クラウドクレジットの個人ローン案件は、1ファンドの中でも複数の資金需要者に貸し出すことで、リスクを抑えるようにしています。
こうすることで、仮に1つの資金需要者が資金を返せない状態になっても、他の資金需要者の資金繰りが健全だった場合、損失額は抑えられます。

これについてはクラウドクレジットの杉山社長もインタビューで以下のように語っています。

当社で取り扱っている海外の個人ローン案件は、1社に対する貸付ではなく複数の債務者が対象となっているため、リスク分散が効いています。

クラウドクレジットの他の評判2つ

クラウドクレジットの他の評判

クラウドクレジットの他の評判は、「返済遅延などのリスク」「為替変動の影響」の主に2つが挙がっていました。

【評判1】返済遅延などのリスクが比較的高い

以下の画像は、2018年8月末にクラウドクレジットが報告した期待リターンの予測マップです。

クラウドクレジット_期待リターンマップ_201808
引用元:2018年8月末時点の期待リターンマップ

上記画像で記載されているファンドで、例えば欧州3か国個人向けローン・ファンド(ハイイールド型、為替ヘッジあり/なし)において、赤い顔文字が表示されています。赤い顔文字は、最終損益がマイナスになる可能性を示しており、運用状況について以下のように報告しています。

本ファンドにおいて延滞債権の増加により、当初予定していた利息収入を満額獲得することが困難になったため、運用利回りが当初の期待利回りに対して低下することは避けられません。今後、延滞債権発生の推移とBondora ASによる回収事業の進み具合によって実現利回りは大きく上下することが予測されますが、現状の回収状況では返済総額が当初出資金を下回る可能性が非常に大きいと予想しております。

引用元:欧州3か国個人向けローンファンド ハイイールド型2018年9月期

このファンドは、ハイイールド型、バランス型、リスク低減型の3つのタイプで募集されており、ハイイールド型はこの中で1番利回りが高い案件です。利回りが高いということは、リスクも高い案件ということになります。
こうした事態となって返済遅延や最終損益がマイナスになる可能性もあるということです。

ただクラウドクレジットの海外向け個人ローンは、複数の債務者を対象にすることでリスク分散をしています。デフォルトが必ず起きるものとして、その影響がなるべく小さくなるように、コントロールするよう設計されていることを考慮してファンドを選択しましょう。

【評判2】為替変動の影響を受ける可能性が高い

クラウドクレジットが募集するような海外案件の場合は、為替変動の影響が伴います。債権回収時や送金時に大きな為替変動があった場合、大きな損失になる可能性もあります。こうしたリスクを避けたい場合は、為替ヘッジ付きのファンドを選択することも検討しましょう。

クラウドクレジットでは、同じファンドでも為替ヘッジ付きと為替ヘッジなしの2種類が用意されていることがあります。

  • ヘッジ付き:利回りは低くなるが、為替リスクを抑制できる
  • ヘッジなし:為替リスクを取ることになるが、期待利回りは低くならない。また、為替変動により利回りが大きくあがることもある

為替ヘッジも考慮して、自分自身の投資方針に合ったファンドを選択しましょう。

クラウドクレジットの評判まとめ

クラウドクレジットの評判をまとめると、以下のような結果となりました。

良い評判

  • 高い利回り:全事業者の平均利回りよりも高い
  • 大手企業との資本提携:伊藤忠商事株式会社が株主に入っている
  • 積極的な情報発信:他の事業者よりも多くの情報発信をしている
  • リスク分散:1ファンドの中で分散が効いている

悪い評判

  • 返済遅延などのリスク:利回りも高い分、リスクも高い
  • 為替変動の影響:必ず影響を受ける。避けたい場合は、為替ヘッジ付きファンドを選択する

ソーシャルレンディングで投資をする際は事業者を分散することも重要なので、上記の評判を参考にしてみてください。

クラウドクレジットの特徴

海外に特化したソーシャルレンディング事業者

クラウドクレジットは南米、ヨーロッパ、アフリカなど、新興国の小口債権を中心に取り扱う海外に特化したソーシャルレンディング事業者です。

海外の案件を提供するという点は他のソーシャルレンディング事業者と大きく異なる特徴です。

海外のファンドを提供するソーシャルレンディング事業者も中にはありますが、マイクロファイナンス系のファンドなど新興国へ社会貢献も可能なファンドを提供している事業者はクラウドクレジットのみでしょう。

外貨建て投資ができ、為替ヘッジも可能

クラウドクレジットは国内の事業者では唯一、円建て・ドル建て・ユーロ建て・ルーブル建ての4種類の通貨での運用ができます。

海外に投資ができる事業者でも、円建てであることがほとんどです。
クラウドクレジットは為替の差も利用できるため、より投資に造詣が深い人にとっては投資方法の選択が広がります。

一方、「為替リスクがこわい」という方でも、クラウドクレジットで投資しやすくなっています。
クラウドクレジットは円建て以外の為替ヘッジ付きのファンドもあるので、為替リスクを懸念する場合は、こうしたファンドへの投資を検討すると良いでしょう。

杉山社長の経歴

クラウドクレジットの社長である杉山氏は、2005年に東京大学法学部卒業後、大和証券SMBCに入社し、金利、為替の自己勘定取引チームで経験を積んでいます。

その後、ロイズ銀行に入行し、資金部長、小会社の代表として、日本国債、海外社債などの運用を行っています。

クラウドクレジットは業界の中でも、特に仕組みがユニークで洗練されたファンドが多い印象を受けますが、杉山社長がこれまでのキャリアの中で培われた経験や知識が商品組成に生かされているのではないでしょうか。

杉山社長はフィンテナでインタビューにも答えています。
幼少期の杉山氏やクラウドクレジットを立ち上げたきっかけまでつぶさに語っています。

為替ヘッジ付きファンド

クラウドクレジットは海外専門のソーシャルレンディグ事業者であることから、どうしても為替リスクが発生します。

為替は時に運用の利回りよりも大きな幅で変動することがあり、融資先から何事もなく資金が返済されたとしても、為替の下落によって利息分が消失し、さらに元本に食い込み損失を被ることがあります。

その点は十分に理解した上で投資をするようにしましょう。

なお、クラウドクレジットのファンドには、前述している通り、為替リスクをヘッジした商品もあります。

為替ヘッジにはコストがかかるため、期待利回りも通常ファンドに比べて低く設定されていますが、それでも10%を超える期待利回りとなっているファンドも多数あります。

どうしても為替リスクを負いたくない方は為替ヘッジが効いているファンドを狙って投資ことも検討しましょう。

大手も資本参加。クラウドクレジットの株主構成

クラウドクレジット_株主構成_201808_002

クラウドクレジットは、2013年の会社設立直後に『起業のファイナンス』の著者として有名な磯崎 哲也氏がゼネラルパートーナーを務める有限責任事業組合フェムト・スタートアップから資金を調達しています。

また、2014年7月には、マネックスベンチャーズ、GCI キャピタルから、さらに、2015年の3月には伊藤忠商事から約2億円を調達しています。

そのほか、第一生命、三菱UFJキャピタル、LINE Venturesなどからも資金調達をしており、さらにサービス成長を加速しています。

ソーシャルレンディング事業者には中小企業も多いため、「運営会社の信頼性」を重視する投資家も少なくありません。

資金を調達する際は、社長の来歴や印象のみならず、会社の運営体制も問われることがあります。
こうした確認を経てクラウドクレジットが資金調達をしていると考えると、投資家が同社に対する一定の信頼性を持つ材料となるのではないでしょうか。

クラウドクレジットは貸金業ではない?

クラウドクレジットは貸金業ではない?

ソーシャルレンディグ事業者の大半が「貸金業登録」をしてサービス運営を行っている中で、クラウドクレジットは貸金業登録をしていません。

ではなぜ、貸金業登録をせずにソーシャルレンディングサービスを運営できているのでしょうか。

実は、クラウドクレジットは直接、本体が借り手企業に対して融資を行っているわけではありません。

海外に設立した子会社に貸付けを行い、そこから現地の企業に融資を行うというかたちをとっています。

関連会社間での資金の貸し借りは貸金業に当たらないため、特に貸金業の登録を必要としないのです。

子会社は、租税回避地であるエストニアなどに設立しています。

エストニアは投資利益に所得税がかからず、法人税も内部留保は非課税扱いであるなど、海外の企業が投資をしやすい環境が整っています。

新興国の投資に個人が少額から参加できる

新興国の投資に個人が少額から参加できる

クラウドクレジットを利用することで、普通の個人ではこれまで投資することが困難だった遠い異国の貸付債権に対して、個人が少額で参加することができるようになります。

新興国は経済が発展途上にあるため、成熟した先進国に比べると多くのチャンスが存在する一方、不安定な政治情勢や治安により、安定して収益を獲得できる案件を見つけ出すのはとても困難です。

クラウドクレジットは、独自の情報網や人的ネットワークを駆使して、比較的安心かつ安定的な案件を探し出し、個人でも投資しやすいかたちとして提供しています。

新興国向けファンドはどうなのか

新興国と聞くと危険性が高いという印象があるかもしれません。

当然日本と比較すると社会インフラは未発達です。
しかしながら、インフラが整っていないからこそ確実なビジネスニーズがあるとも考えられます。

とはいえ、国内と国外ファンドでは異なるリスクもあります。

新興国向けのファンドを多く提供するクラウドクレジットで投資する場合は、投資対象国の政治情勢リスクを懸念しておく必要があります。一方、国内不動産ファンドでは地震などの災害によるリスクもあります。

ファンドの種類それぞれに異なったリスクがある点を認識しておきましょう。

クラウドクレジットはリスクが高いのか

それでは新興国の資金ニーズを対象とするファンドはリスクが高いのでしょうか。

特にクラウドクレジットは相対的に利回りが高いため、リスクも比例して高いと考える方は多いようです。

しかしながら、クラウドクレジットに限らずソーシャルレンディング投資にはリスクがつきものです。

これについては杉山社長本人も発言しており、「貸し倒れが起こったとしても、トータルでは利益がでるような投資運用をするべき」という趣旨の発言をしています。

1,000万円を利回り10%のファンドに投資しており、貸し倒れが起こったとしましょう。
この時に1,000万円を20件のファンドに50万円ずつ分散投資をしていれば、仮にそのうち1件が全損しても、45万円の利益が残ります(全て貸し倒れしなければ、100万円。税金は考慮しない。)。

このように分散投資を行い、貸し倒れた際の損失リスクを抑えた投資が賢明でしょう。

デフォルトが起こらないことを期待するのではなく、起こるものとして考える

デフォルトが起こらないことを期待するのではなく、起こるものとして考える

クラウドクレジットのファンドの中に「ペルー小口債務者支援プロジェクト」という個人向けの貸付債権に対して投資するファンドがあります。

このファンドは数百の個人債権に分散投資することでリスクも細分化し、デフォルトや延滞の影響がファンド全体に及ばないよう設計されています。

国内のソーシャルレンンディング事業者は1ファンドで2社程度に分散して融資する場合が多く、またその比率も片方の企業に9割以上とかなり偏ったものになっています。
そのため、万一、比率の大きい企業の方で、デフォルトや延滞が発生した場合、その影響はファンド全体に及んでしまいます。

一方、当ファンドは、デフォルトが起こらないことを楽観的に期待するのではなく、デフォルトは起こるものとして商品設計を行なっており、デフォルトが発生してもファンド全体のパフォーマンスには影響を及ぼさないようにしている点が他のファンドにない独自の特徴となっています。

クラウドクレジットの口座開設方法

クラウドクレジットで投資するにはクラウドクレジットの口座を開設しておく必要があります。

口座開設には同社のWebサイトにて会員登録や投資家登録の必要があります。

投資家登録には、運転免許証をはじめとする身分証明証や銀行口座情報などが必要となります。
また、投資家適正審査に要する項目として、年間の収入などの入力があります。

これらを経て投資家審査が行われますが、通常、口座開設にかかる審査は数営業日で完了します。

人気のファンドはすぐに投資枠が埋まってしまうこともあるため、事前にクラウドクレジットの口座開設まで済ましておくと良いでしょう。

まとめ

ソーシャルレンディング投資の基本は分散投資です。

国内が対象地域になっているファンドを中心に投資をしている方にとって、クラウドクレジットは、国や通貨レベルでの分散を効かせることができる貴重なプラットフォームとして期待ができるでしょう。


※1:クラウドクレジットに資本参加しソーシャルレンディング事業に参入
※2:2017年9月10日時点、Webサイトより集計。