複利効果に大切!ソーシャルレンディング投資後のファンド運用までのタイムラグを調べてみた

複利効果に大切!ソーシャルレンディング投資後のファンド運用までのタイムラグを調べてみた

こんにちは。中田健介です。

通常、ソーシャルレンディングのファンドは、投資申し込みをしてから実際に運用が始まるまでに数日間のタイムラグがあります。

その期間は金利は発生しませんが資金は拘束されてしまうので、投資家からするとあまりタイムラグが長いのは好ましくありません。

そしてこのタイムラグはソーシャルレンディング事業者によって異なります。
今回は各事業者ごとにタイムラグの違いがあるのか、その傾向を調べてみました。

タイムラグとは

タイムラグとは、投資申し込みをしてから実際に貸付が行われ、運用が始まるまでの期間です。

例えば以下のファンドだと、募集開始が11月16日で貸付実行が11月24日なので、最大8日間のタイムラグが生じることになります。
一方、募集終了日である11月22日に投資した場合は、タイムラグは2日間となります。

タイムラグの例(maneo 不動産担保付きローンファンド946号(案件1:C社、案件2:AN社))
タイムラグの例(maneo 不動産担保付きローンファンド946号(案件1:C社、案件2:AN社))

タイムラグによる投資パフォーマンスへの影響

このタイムラグは投資パフォーマンスに影響を及ぼします。

例えば、投資期間6ヶ月(182日)で年利回り8.0%のファンドに投資した場合、14日間のタイムラグがあったとすると、実質的な利回りは約7.4%となります。(8.0% × 182日 ÷ (182日 + 14日) = 7.4%)

もともと短期のファンドの場合は、このタイムラグがより大きな影響となります。

例えば、投資期間3ヶ月(91日)で年利回り8.0%のファンドに投資した場合、14日間のタイムラグがあったとすると、実質的な利回りは約6.9%となってしまいます。(8.0% × 91日 ÷ (91日 + 14日) = 6.9%)

そのため、短期のファンドに投資するときは、タイムラグに対してより注意が必要となります。

反対に12ヶ月など長期ファンドに投資するときはタイムラグはあまり問題とはならないでしょう。

各サービス事業者ごとのタイムラグの傾向

各ソーシャルレンディング事業者ごとのタイムラグの傾向は以下の通りです。

各サービス事業者ごとのタイムラグの傾向

今回の分析にはフィンテナにて収集したファンドデータを使用しました。
対象は、2017年4月1日から9月30日までに募集を開始した全ファンドです(SBIソーシャルレンディングとクラウドリアルティについては運用開始日などのデータが取得できなかったため、今回の分析の対象外としました)。

まず全体としては、募集開始日から運用開始日までの平均日数は11.6日、募集終了日から運用開始日までの平均日数は3.6日でした。
やはりどの事業者に投資してもある程度のタイムラグは避けられないようです。

募集開始日から運用開始日までの平均日数が最も短かったのはグリーンインフラレンディングで6.2日、次がmaneoで8.8日でした。

なお、オーナーズブックの募集終了日から運用開始日までの平均日数が-0.9とマイナスになっているのは、オーナーズブックでは予定募集終了日よりも運用開始日が早くなるケースがあるためです。

(オーナーズブック・豊島区オフィス第1号ファンド第2回募集画面より)

タイムラグに対する考え方

このタイムラグについてどのように考えたらよいのでしょうか。

先に述べたように、タイムラグは長いよりも短いほうがよいのですが、だからといって「タイムラグを短くするためにわざとファンドの募集終了日ギリギリに投資する」というのは、その間に満額成立してしまい投資できなくなってしまう可能性もあるので、あまり得策とは言えません。

パフォーマンスを0コンマ数パーセント上げるために投資機会自体を逃しては本末転倒です。

それよりも、タイムラグにより投資パフォーマンスが低下するのはある程度やむを得ないと割り切り、それを織り込んで投資計画を立てることが大切でしょう。

そもそも、投資信託や債券など他の投資商品も入金してから実際に購入できるまで数日程度のタイムラグが生じることはあるため、ソーシャルレンディング固有の問題というわけではありません。

おわりに

タイムラグがソーシャルレンディングのパフォーマンスに影響を及ぼすことを知ってはいても、実際に投資ファンド選択の際にそれを考慮する方は意外と少なかったのではないでしょうか。

ソーシャルレンディング投資の上級者を目指すのであれば、チェックしたいポイントの一つと言えるでしょう。