20以上の事業者が存在するソーシャルレンディング業界ですが、大手と言われる事業者とまだ中小規模の事業者に分かれます。
今回は、「成立ローン総額200億円」を基準とし、大手事業者としてmaneo、SBIソーシャルレンディング、クラウドバンクの3社を取り上げ、これらの事業者が大手事業者となった理由について背景も簡単に考えてみました(2017年11月時点)。
市場拡大が続いているソーシャルレンディング市場ですが、新たに成長の事業者も存在しており、今後さらに大手と呼ばれる事業者が増える可能性もあります。
目次
ソーシャルレンディングの大手事業者の定義について
ソーシャルレンディング業界の最大手と言えばmaneoという認識は、ソーシャルレンディング業界関係者であれば同意するでしょう。
同社の成立ローン総額は11月16日時点で943億円と1000億円目前であり、その数値は他の事業者を大きく引き離しています。
それではソーシャルレンディング業界大手と表現する際に、どこで線引きするのが妥当なのでしょうか。
様々な観点での線引きがあろうかと思いますが、現段階では全体的な規模感から、「成立ローン総額200億円」を一つの判断基準とします。
ソーシャルレンディング業界で成立ローン総額200億円超を達成している(達成を予想も含む)大手事業者は下記の3社となります。
1. maneoマーケット株式会社
2007年に設立されたmaneoマーケット(以下、maneo)は国内で最初にソーシャルレンディング事業を始めた企業です。
個人間融資事業から始まった国内ソーシャルレンディング事業を法人向けに方向転換し、これまで発展してきました。(2017年11月時点)
※グリーンインフラレンディングを営業者とするファンドの取得勧誘に関して、maneoマーケットに対する行政処分の勧告が証券取引等監視委員会により行われています。(2018年7月6日現在)
詳しくはこちらをご覧ください。
2. SBIソーシャルレンディング株式会社
SBIソーシャルレンディングは、インターネット金融グループSBIホールディングス傘下のソーシャルレンディング企業として、2008年に会社が設立されています。
同社では直近のローン成立総額の開示されていません。
しかしながら2016年の開示資料では、2016年10月時点で約150億円の募集実績を有しています。
同社は2017年に入った後も、順調にファンド募集を行っており、フィンテナの月次の募集金額推移からは同社の成立ローン総額200億円超えは確実といえる状況です。
同社躍進の理由は、やはり東証1部上場のインターネット金融グループSBIホールディングスのグループ会社という点。
ソーシャルレンディング投資には事業者に対するリスクの検討は必要不可欠の中、ネット証券最大手のSBI証券を中心とするSBIグループとの安心感は他ソーシャルレンディング事業者と比べて大きな優位点でしょう。
SBIグループの安心感およびmeneo設立の翌年の2008年に会社設立という業界の古参会社としての実績が、同社が業界大手の地位を築いた要因といえます。
3. クラウドバンク(日本クラウド証券株式会社)
クラウドバンクは2013年にサービスを開始。
maneoやSBIソーシャルレンディングに次ぐ古参会社といえます。
2017年11月16日時点で成立ローン総額(累計応募金額)216億円であり、200億円を突破しています。
同社は過去2度金融庁から行政処分を受けていますが、その後適切な措置を行いソーシャルレンディング市場での信頼を積み上げています。
また行政処分を受けた際、投資家及び融資先に対するデフォルトなどの影響は無く、ファンドは順調に償還がなされています。
行政処分の際も地道に改善に取り組み、顧客に迷惑をかけることなく粛々と業務を続けた姿勢も評価を受けて、成立ローン総額200億円超えを達成したのではないでしょうか。
まとめ
業界大手と一言で言っても、どの面を捉えて大手と言うべきか、人それぞれの面があります。
今回は成立ローン総額200億円を1つの基準として採用し、上記3社を取り上げました。
市場拡大が継続しているソーシャルレンディング市場、今後とも注目したいところです。