【徹底調査】ソーシャルレンディングは低金利?高金利?他の金融商品と比較

【徹底調査】ソーシャルレンディングは低金利?高金利?他の金融商品と比較

ソーシャルレンディングは高金利なのでしょうか?それとも低金利なのでしょうか?

今回は一般的に5~10%ほどのソーシャルレンディングの利回りについて、フィンテナのサイトを利用し平均利回りを算出しました。

全体的には平均すると7~8%ほどの利回りとなるソーシャルレンディング。
低金利の日本では、投資元本の変動なく高いインカムゲインが期待できる、異色の存在と言うことができます。

ソーシャルレンディングはインカムゲイン

融資型クラウドファンディングとも言われるソーシャルレンディングは、個人投資家から小口の資金を集め、借り手企業へ資金を融資します。

投資家は、借り手企業が返済した資金のうち数パーセントを受け取ることで金利収入を得ます。
また期日が到来すれば投資元本も投資家の手元に返済されます。

基本的に借り手企業(融資先)の事業などが予定通りに推移し、ソーシャルレンディング事業者がデフォルトなどを起こさなければ、投資元本が毀損することはありません。
よってソーシャルレンディングは融資(貸付)による金利収入を期待する金融商品であり、インカムゲインを目的とする投資に該当します。
※インカムゲイン→金融資産を一定期間運用した際に発生する利子所得を指す。

融資を行うことから投資元本の変動がなく、インカムゲインも得られるとの点が、ソーシャルレンディングの魅力と言うことができます。

ソーシャルレンディングの平均利回り

ソーシャルレンディングは20社を超す事業者が多く存在しており、また事業者によっても通常複数のファンドを募集しています。
よって事業者そして各ファンドによって利回りが異なるケースがほとんどです。

そのような状況下ですが、簡単にソーシャルレンディングの平均利回りを算出してみます。

フィンテナには23社のソーシャルレンディング事業者の登録があり、各社の平均利回りが掲載されています。
そのフィンテナに掲載業者の中、業務停止処分を受けている、みんなのクレジットを除く22社の平均は下記となります(小数点2位以下切り捨て)。

・22社平均→7.8%

なお、上位5社並びに上位10社平均は下記となります。

  • 上位5社平均→10.4%
  • 上位10社平均→9.8%

上記よりソーシャルレンディングの平均利回りはおおむね約7~8%であることがわかります。
また利回り上位の会社に限れば分散投資を行った上でも、年利回り10%程度は充分狙えることが分かります。

低金利の日本において、ソーシャルレンディングの平均利回り7~8%と言うのは、非常に高いインカムゲインと言うことができます。
金利でいうと、ソーシャルレンディングは比較的高金利の投資と考えられるでしょう。

ソーシャルレンディングと他のインカムゲイン型投資の金利比較

次に他の元本が変動しない形の、インカムゲイン型金融商品の金利を取り上げてみました。

  • 銀行の定期預金→0.001%(三菱東京UFJ銀行、1年スーパー定期)
  • 国債→0.05%(5年及び3年の個人向け国債)
  • 社債→2.03%(ソフトバンク51回債、期間7年)
  •  ※外国債券は為替変動リスクがあるため取り上げていません

社債の中では金利が高いと言われるソフトバンク債であっても2.03%の金利です。
他のインカムゲイン型金融商品では1%を下回る金利が当たり前となります。

低金利下の日本ではインカムゲインを目的とした投資は、その対象が限られ、また利回りも期待できない状況となっています。

その中で平均年利回り7~8%以上が期待できるソーシャルレンディングは、異色の存在です。

ソーシャルレンディングと他のキャピタルゲイン型投資の金利比較

投資元本の価格変動により、投資元本の価格上昇を狙うことができるキャピタルゲイン型投資の金融商品においても、株式の配当金のように金利収入に類する収入を得ることができます。

  • 株式配当金→1.67%(日経平均採用銘柄:2017年11月17日終値)
  • REIT分配金→3.2~6.6%(全銘柄の分配金範囲:同上)
  • 不動産→3~10%(物件により大きく左右される)
  • FX→6.75%(高金利通貨として人気の南アフリカランド/円)

キャピタルゲイン型の金融商品におけるインカムゲインについて、代表者は株式の配当金です。

その配当金は日経平均採用銘柄に限れば年配当金利回りは1.66%。
ただし日経平均採用銘柄にこだわらなければ3%以上の銘柄も多くあります。

また株式上場、上場商品であるREITについては分配金利回りがおおむね3~6%に分布しており、REITの優良銘柄であっても3%の利回り収入を得ることができます。

参考までに不動産も取り上げました。
利回り3~10%としていますが、物件毎に大きく左右されるため、一概には表現できない面も存在しています。

最後に、日本の個人投資家に人気のFXでの南アフリカランド円投資の金利を取り上げました。
開発途上国の南アフリカはFXにおいて6.75%の金利収入を得ることができます。

しかしながらレバレッジのかかった上での価格変動が生じるため、投資元本毀損のリスクは他の3商品以上にあります。

株式も不動産も銘柄や物件にその利回りは大きく左右されますが、注目したいのはREITの分配金利回り。
REITの分配金利回りが3.2~6.6%の幅の一方で、ソーシャルレンディングの利回りの幅はフィンテナのサイトによると、2.95%~12.21%。

REITの高利回り案件が、ソーシャルレンディングでは中位の利回り案件に該当します。

まとめ

ごく簡単に他の金融商品とソーシャルレンディング間でインカムゲインの比較を行いました。

一般的に金利5~10%と言われているソーシャルレンディングですが、フィンテナの22社平均の7.8%との数字は覚えておくと、様々な金融商品を見る際に、物差しの1つとなります。

高い金利収入を得られるソーシャルレンディングですが、言うまでもなく元本保証型の商品でありません。
よって他の金融商品と比べ高金利が期待できるとは言え、しっかりとリスクを把握した上で投資検討を行う必要があるという認識は必要不可欠と言えるのではないでしょうか。