ラッキーバンクに金融庁が検査が入った?その後はどうなったのか

ラッキーバンクに金融庁が検査が入った?その後はどうなったのか

※ラッキーバンクでは返済遅延していたファンドについて、債権譲渡が決定しました(2018年12月5日時点)。詳細はこちらをご覧ください。

※平成30年2月20日、証券取引等監視委員会は行政処分を行うよう、金融庁に勧告する方針であることが明らかとなりました。

ソーシャルレンディング事業者はベンチャー企業も多く、第二種金融商品取引業者の免許があったとしても、業務が問題なく運営されているかどうか確認する術は投資家にはありません。

金融庁では適切に業務が行われているかを確認する検査を行っていますが、不動産案件に特化したラッキーバンクに金融庁の検査が入ったようです。今回はその検査の状況について調査しました。

金融庁によるラッキーバンクの検査の状況

2017年4月以前は金融庁が検査中の企業はWebサイトに公開されていましたが、4月以降は公開されていません。
ラッキーバンクを運営するラッキーバンク・インベストメント株式会社に2017年2月から金融庁が検査に入ったという情報が公開されていました。
2018年2月20日、証券取引等監視委員会はラッキーバンク社に対する行政処分を行うよう、金融庁に勧告する方針であることが明らかとなりました。

ラッキーバンクの事業成長について

ラッキーバンクに金融庁が検査が入った?何も問題がなかったのか調査しました
※1より

金融庁の検査を受けたラッキーバンクですが、2014年12月のサービス開始以来順調に累計応募額を増やし、2017年10月17日時点で累計125億円を突破しました。登録ユーザー数もは累計6,000人を突破しています。

金融庁の検査ではなにが行われるのか?

そもそも金融庁の検査ではどのようなことが行われているのでしょうか。適切な業務かどうかを判断する基本指針として、金融検査マニュアルが作成されています。

検査事項

このマニュアルでは、

  • 利用者視点の原則
  • 補強性の原則
  • 効率性の原則
  • 実効性の原則
  • プロセス・チェックの原則

の5つの原則が記載されており、この基本指針をもとに検査が行われます。顧客保護管理や信用リスク管理の態勢、ガバナンス管理などさまざまな項目について適切な業務が行われているのかどうかを確認されます。

ベンチャー企業だからといって検査内容は変わらず、第二種金融商品取引業者としての運用体制などが検査により問われることになります。
検査についてより詳細に知りたい方はこちらを参照してください。
金融検査に関する基本指針

金融庁で検査局が廃止に?

この金融庁による検査ですが、2018年度より組織再編が行われるとともに金融検査マニュアルが廃止されることになりました。これに伴い、新しい新しい検査手法を策定するとのことです。

バブル崩壊後の不良債権問題も収束しつつあり、貯蓄から投資、フィンテックといったトレンドがある中で、金融庁のさらなる行政改革の始まりとなるかもしれません。
金融庁 平成30年度 機構・定員、予算要求について

過去に処分を受けたソーシャルレンディング事業者

以下は検査の結果、処分を受けたソーシャルレンディング事業者です。

みんなのクレジット

株式会社みんなのクレジット株式会社は、2017年3月と2017年8月で合計2回の行政処分を受けています。
2017年3月は約1ヶ月の業務停止命令、2017年8月は貸金業法に基づく行政処分で約1ヶ月の業務停止命令が出されました。

クラウドバンク

クラウドバンクを運営する日本クラウド証券は、2015年6月と2017年6月で合計2回の行政処分を受けています。
2015年6月は約3ヶ月間の業務停止命令、2017年6月には広告に関する業務改善命令が出されました。

行政処分を受けているものの、経営陣の刷新や内部管理体制の強化、業務改善報告書の提出など運営体制が改善されているとしています。

実際に2017年8月はクラウドバンク単月最高額募集額の17億円強を集めています。※2

※平成30年2月20日、証券取引等監視委員会は行政処分を行うよう、金融庁に勧告する方針であることが明らかとなりました。


※1:【プレスリリース】累計募集金額125億円突破
※2:フィンテナ クラウドバンクの会社情報・データ