
中田健介です。
今回は、東京23区内にマンションを複数所有している不動産投資家で、ソーシャルレンディング投資も行うポンヤス氏にインタビューさせていただきました。
ポンヤス氏は、マンション経営について勉強する社会人サークルの代表も兼任しており、不動産業界誌でも注目を集めています。
今回はそんなポンヤス氏に不動産投資の手法や、ソーシャルレンディング投資を始めたきっかけなどを伺いました。
不動産投資を始めた経緯
―ご職業について教えてください。
以前はメーカーで営業を担当していましたが、現在は収益用不動産の会社で企画・マーケティングをしています。
―投資を始めたのはいつですか
2001年頃です。
最初は株式投資から始めました。当時9.11テロが起こり株価が非常に下がっていたので、チャンスだと思いました。
結局株式では1億円以上儲けましたが、損もしました。大きな損失を出してしまい、眠れない日々を過ごしたこともあります。
この経験から、株は必ず勝てるという方法がなく、たまたま儲かったとしても再現性がないと考えるようになりました。
そこで2008年からは、安定して収益が得られる不動産投資にシフトしました。
当時はサブプライムローンの崩壊、リーマンショックで価格が下がっており、新築マンションでも売れ残っていたので値引きしてもらうこともできました。
実は、自宅を購入するよりも先に最初の物件を購入しました。そうすると将来に対する不安感が少しなくなりました。
友人・知人に不動産投資を始めたという話をしたら、詳しい話を聞きたいという人が多かったので色々と教えたところ感謝されました。
こうして人に感謝されたことが忘れられず、その後、メーカーを退職し、不動産会社に転職しました。
不動産投資で資産を築いた手法
―現在の総資産額を教えていただけますか。
資産総額は数億円。ほとんどが不動産です。
不動産投資を始めた時点での資産は1億円程度でしたが、そこから家賃収入で資産を増やしていきました。
現在は、不動産から得られるインカムゲインは年間数千万円です。
―どのように不動産投資の勉強をしたのですか
まずは書籍で勉強しました。現在書店に並んでいる不動産関連の本はほとんど読んでいます。
また、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士といった不動産関連の資格もとりました。
さらに不動産会社の経営陣と仲良しになり、業界内の情報を得るようにしました。
サラリーマンをしていると収益用不動産会社から営業の電話がときどきかかってくると思います。
私のところにもよくかかってきましたが、どの営業担当者にも実際に会いました。その上の管理職や役員などとも会ったことも、値引き交渉をして実際に物件を買ったこともあります。
そうした業者の中にはもちろん良くないところもありますが、同じ会社の人間に何人か会うとどんな会社かわかります。
―投資スタイルを教えてください
不動産投資には中古物件投資やアパート一棟買いなど様々な手法があります。
意外に思われるかもしれませんが、私は新築マンションの区分所有のみを手掛けています。
価格が安くて高利回りの物件を狙うより、高くてもきちんとした物件を買うようにしています。
また、1つのマンションで複数の部屋を買うことはリスクが高いのでしません。中古物件は寿命が短く耐震性能なども低いので投資しません。
投資対象は基本的に東京23区のみで、山手線沿線かターミナル駅に一本で行ける駅です。みんなが知っていて乗降客数の多い駅がよいと思います。
最寄り駅から10分以内の物件が対象です。
新築だと属性の悪い人はまず入居しないので、これまで入居者との間でトラブルになったことはありません。
インカムゲインを目的としているので基本的には物件を売ることはありません。実際に初めて購入したマンションもまだ持っています。
―投資対象となる物件はどのように探しているのですか。
現在は、不動産事業者から月に10~30件くらい提案があるので、その中から選定します。
―投資資金はどのように調達していますか。
自己資金は20%で、80%は銀行から借ります。ローンの期間は20年~30年ほどです。
普通に借りると金利は2~3%程度なのですが、私は交渉して1%以下で借りています。
そうした低い金利で借りるにはもちろん実績が必要です。
―入居者はどのように探しているのですか。
新築マンションだと、開発業者が探してきてくれるので、自分で不動産屋などを通じて探しいるわけではありません。
また一部は大手企業と契約し、社宅や借り上げ住宅として貸しています。
入居率・稼働率とも100%で、部屋が空いてしまうことはありません。
―物件の管理についてはどのようにしていますか。
管理会社に委託していますが、所有する物件のマンション管理組合には積極的に参加し、理事なども引き受けています。
管理組合に参加するのは大変ですが、マンション全体のことがよくわかりますし、問題があれば対策を取ることもできます。
―今後の不動産市場の見通しはソーシャルレンディング投資家も興味がある部分だと思います。ポンヤス氏はどうお考えですか。
今後人口減少で不動産価格が下がると言われていますが、不動産価格は人口よりも金利や株価、景気など経済的な要因で決まる部分の方が大きいと考えています。
また、単身者は増えており、ワンルームマンションのニーズは高まっています。東京23区では価格が下がることはないと考えています。
―早期リタイヤの予定はありますか。
私は不動産の仕事自体が好きなので、リタイヤする予定はありません。
また、いつ何があるかわからないので、常に仕事を通じてスキルを高める必要があると考えています。
―他にはどんな投資を手掛けていますか
不動産以外には未公開株式にも投資しています。
経営陣の能力や人柄などを見極めて投資します。もし株式が上場されれば投資金額は何倍にもなります。
投資対象の企業については、学生時代などからの知人のネットワークで情報を得ています。
また、ソーシャルレンディング投資も行いはじめました。
ソーシャルレンディング投資に興味を持った理由
―ソーシャルレンディング投資を始めたのはいつ頃ですか
今年の4月からオーナーズブックに投資しています。投資金額は100万円ほどです。
他にもいくつかの事業者で口座は開きましたが、まだ案件の内容やリスクをチェックする時間が充分なく、投資できていません。セミナーにも参加したいのですが、予定がなかなか合わなくて参加できていません。
―ソーシャルレンディングのどんなところに興味を持ちましたか。
オーナーズブックの不動産担保付きという点に興味をひかれました。
社長をはじめとする経営陣の経歴や財務諸表も見たところ良さそうだと感じました。
また、セミナーや懇親会にも参加し、信頼できそうだと思ったので投資を始めました。
最近は不動産価格が高くなっており、買いたいと思う物件がなかなかないので、浮いた資金の運用先として今後は積極的に活用していこうと考えています。
―ソーシャルレンディングについて懸念はありますか。
平日は勤務しているので、夕方18時ころに案件募集があるとなかなか投資できません。気付くと終わっていることがあります。
投資先の具体的な情報が開示されないため、投資している実感があまりないですね。今後、投資先や不動産物件の内容が見られるようになってほしいです。
不動産投資と比較すると、不動産はいずれ自分のものになりますが、ソーシャルレンディングはならないという違いはあります。
または損益通算できるので節税効果があるという不動産投資のメリットはソーシャルレンディングには無いですね。
まとめ
さすがにわずか10年間で複数の不動産物件を取得されただけあり、勉強や情報収集に努力を惜しまない姿勢は是非とも見習いたいと感じました。
いずれソーシャルレンディングでも借り手や担保物件の情報が公開されるときが来るかもしれませんが、その時に備えて私も不動産の勉強をしておこうと思いました。
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