ソーシャルレンディング投資に充てるべき「余裕資金」の計算方法
こんにちは、SALLOWです。
よく聞く言葉に、「投資は余裕資金で行うべき」というものがあります。
この言葉自体に反論する人はいないでしょう。目先の生活に必要な資金まで投資してしまうと、生活が立ちゆかなくなる恐れがあります。
では余裕資金というのは一体何なのでしょうか。
各自の家計に照らし合わせて明確な答えを出せる人は、どのくらいいるのでしょうか。
今回は一般的な話と具体的な家計データのシミュレーションとともに、余裕資金の考え方の例を紹介します。
目次
何はともあれ、マネーライフプランを作る
同じ収入の家計を比較しても、親の職業や年齢、子どもの数や年齢、持ち家の有無や予定、趣味嗜好などの違いにより、必要となる資金は異なります。
そのため、余裕資金を算出する前にはまず、マネーライフプランの作成が必要不可欠です。
マネーライフプランとは、これからのマネー(お金)とライフ(生活)を合わせた計画のこと。今後数十年にわたるライフイベントと、それぞれ要するお金を俯瞰するための表のことです。
マネーライフプランの作り方は、以下を参考にしましょうと思います。
・マネーライフプランニングとは (株式会社マネーライフプランニング)
中には、「数十年の将来なんて良く分からないから計画なんて作れないよ」という方もいるでしょう。
もちろんその通りです。私だって分かりません。
マネーライフプランは、「○年後にこうしていたいな」という願望の入った計画で構いません。後で見直す事が前提の計画なのです。
将来について漠然とした不安を抱えている人も少なくないでしょう。こうした形のない不安のは「何が分からないかが分からない」という事に起因します。
マネーライフプランを作成することで分からない事が明確になり、次にどうすればいいかという目標が生まれます。目標を一つ一つ達成することで、だんだんと自分や家族のこれからが見えてくるのではないでしょうか。
ちなみに、保険会社や証券会社の相談サービスでもマネーライフプランは作ってもらえますが、ポジショントークを含む場合があります。
最初は少し難しいと感じても、是非自分でライフマネープランを作ってみましょう。
お金に色はないけれど
マネーライフプランを作ると、毎月の収入と支出がどの程度で、まとまったお金はいつ必要なのか、手元にある資金が年を経るごとにどのように増減するのかなどが、おおまかに見えてきます。
次にお金を3通りに分けます。
直近の生活を維持していくための生活資金、将来における使途が決まっている目的別資金、最後にどれにも当てはまらない余裕資金です。
本来お金に色は付いていませんが、それでもこのように分けてしまった方が良いと私が考えます。1つの財布に3種類の資金が一緒になっていると、つい何かの折に手を付けてはいけない資金に手を付けてしまいがちになります。
もしあなたに配偶者がいて、その人が信頼できる金銭感覚を持っているなら、生活資金+目的別資金と余裕資金は、管理者を分けてしまうのも良い手かもしれません。
投資用資金とは
資金を育てるための投資に回す事ができるのは、以下の2種類の資金です。
これ以外の資金は投資に回さず、普通預金やキャンペーン時の定期預金などに入れておくことをオススメします。
・将来における使途が決まっている目的別資金のうち、使うのが少し後のもの
・余裕資金
次に「使うのが少し後ってどのくらい後なのだろう」 という疑問にお答えします。
投資に回すかどうかの判断
「少し後」について、決まった期間はありません。
というのも、どんな金融商品に投資するかによって、「少し後」にあてはまるかどうかが変わるからです。
例えば5年後に使う事が分かっている資金を、10年期間変動型の仕組預金に入れてしまうのは良い判断とは言えません。
もちろん、そのお金で不動産投資を行うべきでもないでしょう。
一方、1年後に使う事が分かっている資金であっても、経営が安定しているソーシャルレンディング事業者が募集する堅い短期間案件に投資するのはどうでしょうか。
例えば、A社が募集する親会社(上場会社とする)の連帯保証付きの案件で、期間が3ヶ月、予定利回りが4.25%のものがあったとします。
仮にここに100万円を投資した場合、3ヶ月で約8,500円の利益を手に入れる事ができます。
もちろん投資ですのでリスクはあります。その中でも上場会社の連帯保証が付いていると比較的保全性の高い投資だと言えるでしょう。
このように近い将来に使う事が分かっている資金であっても、ソーシャルレンディングの案件を組み入れることで、短期かつそれなりの利回りで運用できるようになります。
こういった堅い事業者で、きっちり不動産などの堅い担保を取っている案件、それも1年以下の短期案件であれば、資金の預け先として検討しても良いと私は考えます。
余裕資金の作り方
ここまでの内容で、「そもそも家計がカツカツで余裕資金なんて作れないよ」という人もいるかもしれません。
たしかに余裕資金を作るためには、まず家計のバランスを整えて資金を捻出することが大きな壁となります。
この問題への対応策は家計によって様々で、ネットを駆使して調べれば選択肢は散見されま。
支出の詳細を理解していないのなら、まずは家計簿を付ける事から初め、余計な支出を明らかにするのがいいでしょう。ポイントやクーポンを利用する節約術も、調べればすぐに見つかります。
節約が苦手であれば収入を増やす努力をするのも一つの選択です。本業で収入を伸ばす自己啓発もあれば、少しの時間でできる副業もあります。
ただしここで重要なのは、目的を見失わない事です。
全ての行動は、家計のバランスを取り余裕資金を作るために行うものであるということは、常に考えの中心に据えるようにしましょう。
余裕資金のシミュレーション
それでは、ある程度平均的な家計を例に取って、余裕資金について考えてみます。ここでは夫婦(専業主婦)+子ども(中学~高校生)一人、額面年収500万円というテストケースを想定します。
額面年収500万円の場合、控除その他を入れた手取りはおおよそ月30万円。
この場合の大まかな家計費は、以下のようになると思われます。
※あくまでも一例とお考え下さい
- 住居費 25%
- 食費 15%
- 水道光熱費、通信費 10%
- 教育費 10~15%
- 小遣い 10%
- 保険料 5%
- その他(被服費、交際費、日用品) 10%
- 貯蓄 10~15%
このシミュレーションだと、毎月手取りの10~15%(毎月3万~4.5万円)を貯蓄できます。
この貯蓄でまずは、直近の生活を維持していくための生活資金を貯めます。この生活資金は、万が一の病気、事故などがあった場合に何とか生活の立て直しをするまでの間の防衛資金です。
生活資金まで投資に回してしまうと、いざというときの金策に困窮するので、この生活資金については投資に回すべきではありません。
生活資金が貯まったら
生活資金が貯まったら、次に投資用資金の貯蓄を始めますが、ここでマネーライフプランが生きてきます。
マネーライフプランを作成していないと、将来どの程度の出費が発生するか読めず、どこまでが投資に使って良い余裕資金なのかが分かりません。
先に作成しておいたマネーライフプランにのっとり、使途が決まっている目的別資金のうち、直近で使うお金以外が投資に使える余裕資金です。
これで、余裕資金の算出ができました。マネーライフプランを作っておけば、何年後にどのくらいの資金が必要かはある程度明らかになっているでしょう。そうしたら、そのプランに基づき、資金を投資して育てていきましょう。
株や投資信託は日々の値動きがあり、近い将来に必要な資金を投資する先としてはあまり向きません。不動産や太陽光などは投資金額が大きい上、資金の拘束期間が長く、使途が決まっている資金を投資する先には不向きです。
使途が決まっていない資金ならこういったものに投資するのも良いとは思いますが、できれば使途が決まっている資金であっても、効率的に運用したいもの。
その点、日々の値動きのないインカムゲイン投資であるソーシャルレンディングを組み入れることで、短期投資の選択肢が広がり、より効率的な資金運用が可能になります。
もちろん元本保証はありませんが、少なくとも現在の私の例で言えば、ソーシャルレンディングの通算収支は黒字です。
もちろん最初は不安もあるでしょうが、数万円、数ヶ月の短期案件からでも、まずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
まとめ
以上、記事のまとめです。
- 何はともあれ、マネーライフプランの作成が最優先。
- 次に、家計を把握する。きちんと貯蓄できていない場合、節約するか収入を増やすか、適切な対処を行う。
- 貯蓄を生活資金、使途が決まっている目的別資金、余裕資金に分ける。
- 最初は生活資金から貯めていく。
- 生活資金が貯まったら、目的別資金と余裕資金を分ける。
- 投資は出口を考えて。日々の値動きのある投資や、長期間資金が拘束される投資は、目的別資金の投資先には向かない。
- ソーシャルレンディングの堅い事業者であれば、使途が決まっている目的別資金の投資先としても検討可能。
- 株や投信に加え、ソーシャルレンディングをうまく活用することで、資金を効率的に運用することが可能になる。
- マネーライフプランや収支バランスは定期的に見直す。
家計のあり方は家族の数だけあると思いますが、その目的は一つ、家族と自分が幸せになることです。ここで紹介した方法がその一助となれば幸いです。