ソーシャルレンディングの期間、運用期間とは?意識したいメリット・デメリット

ソーシャルレンディングの期間、運用期間とは?意識したいメリット・デメリット

ソーシャルレンディングの運用期間とは

ソーシャルレンディング投資においてファンドを選ぶ際、投資の基準となるポイントは個人によって大きく異なるものも含め様々あります。

もっともわかりやすいものとしては利回りの高さや担保・保証の種類、ファンドテーマなどでしょう。
これらによりリスクなどを考え、ポートフォリオの最適化を行うという方は少なくありません。

このような基準と同じく重要なのが、ファンドの運用期間です。

ファンドの運用期間とは、「ファンドが集めた資金を運用する(投資・融資する)期間」のこと。
利回りが同じであれば、運用期間が長ければ長いほど、受け取る分配金は大きくなります(延滞・貸し倒れが発生しない場合)。一方、全額が分配・償還されるまでの期間は長くなってしまうため、市場の変動リスクを受ける可能性も長い期間持つこととなります。
短期的な投資ファンドであれば、全額が分配・償還される時期も早いため、市場の変動リスクを比較的受けづらくなりますが、その反面分配金を受け取れる期間も短くなってしまいます。

運用期間の長短によってそれぞれメリットやデメリット、注意点もあるので、ソーシャルレンディングで投資を始める人は、まず運用期間が持つ意味をよく知った上でリスクの把握に努めましょう。

ソーシャルレンディングでみられる運用期間

ソーシャルレンディングの事業者によって1年以内のファンド限定、短期間中心、数カ月から2年、3年まで、多様な運用期間のファンドがあります。

2017年10月現在、国内ののソーシャルレンディング事業者は20社以上あります。

一般的なファンドの中でもっとも長期間とされるものは36ヶ月。ただし、比較的長期間のものでも募集完了になるなどファンドのテーマや内容によっては投資も集まる状況です。

反対に1ヶ月という超短期のファンドも見られます。
全体的には長いよりも短い運用期間のファンドのほうが投資応募が集まりやすい傾向にあります。

運用期間が長いファンドのメリット

運用期間が長いファンドのメリットとしては、同じ利回りであれば分配金の合計が大きくなるというところ。

例えば運用期間24ヶ月、利回り10%のファンドに500万円の投資を行うと、年間50万円の分配金となります(各種手数料や税金を考慮せず)。
ソーシャルレンディングの一つの魅力は、不労所得に近い投資であること。
長期間であればあるほど、不労所得という意味では魅力となるでしょう。

その一方で投資用の資金を24ヶ月拘束されるというのは投資家にとっては運用の自由が効かないという意味でデメリットとも捉えられます。
また短いものに比べ、運用期間が長いと貸し倒れなどの可能性は高くなるでしょう。

運用期間が短いファンドのメリット

運用期間が短いファンドのメリットは、運用期間が長いファンドのデメリットの裏返しになります。
例えば2~3ヶ月しか運用しないファンドであれば、資金の拘束期間が短いので、比較的早期に資金が手元に戻ります。

また貸し倒れについても比較的起こりづらいと考えられます。

一方でデメリットしては得られる収益の少なさと再投資の手間です。
たとえ利回り12%という高利回りファンドがあっても、運用期間が3ヶ月程度であれば1000万円を投入しても、自分の手取になるのは24万円。

分配および償還が行われた後は、再投資の必要もあります。
複利効果を最大としたいのであれば、この重要性は大きいでしょう。

運用期間が短いファンドにはこうした点を踏まえた上で投資を行うべきです。

ソーシャルレンディングの運用期間で気をつけるべきこと

ファンドが公開され、募集開始と同時に資金を投入(毎月分配のファンドを想定)。
その後ファンドの運用が決定しても、翌月からすぐに分配金が得られるわけではありません。

会社により差はあるものの、資金が集まったところでファンドの運用開始が決定するまでに1ヶ月近い時間を要すファンドもあれば、資金の募集が完了したら即座にファンドの運用が開始されるものもあります。

ファンドによっては、投資実行後、最初の分配金を得られるまでに3ヶ月近い時間がかかることもあります。

長期間運用が行われるファンドであればそれほど気にならないかもしれませんが、短期間、特に2~3ヶ月しか運用されないようなファンドでは初回の分配で2ヶ月分、そして翌月で終わりという運用になることもあるので、いつ分配金が入ってくるのかを常に意識することが大切です。

早期償還が起こることも

またソーシャルレンディング運用で気にしたいのが早期償還です。

これは12ヶ月の運用期間として予定されていたファンドが、6ヶ月など最初の予定より早く打ち切られ、分配金がもらえる期間が短くなるものです。

これにはメリットとデメリットがありますが、本来運用してほしかった期間よりも短くなってしまうため、気をつけたい点です。

まとめ

ソーシャルレンディングの運用期間は数カ月のものから3年ほどまで多様です。

運用期間に限らず、ソーシャルレンディング事業者はそれぞれ特徴を持っており複数の事業者やファンドに投資をすることで、短期と長期を組み合わせた運用をすることもできます。
投資家のみなさまは分散投資やラダリングを意識した上で、 ポートフォリオを構築しましょう。