ソーシャルレンディングは株やFXとは異なる税制が採用されています。
株やFXの場合、利益に対し約20%の納税となりますが、ソーシャルレンディングでは所得額に応じて税率が異なります。
今回はソーシャルレンディング投資の所得金額と税率の関係を簡単に解説いたしました。
ソーシャルレンディングは年収が高いほど税率が高まる
クラウドファンディングの一種である一方、投資先から金利収入を得ることができるソーシャルレンディングは、一般的には金融商品との位置付けになります。
そして金融商品で利益を得た場合は、利益額に対して納税を行う必要があります。
ソーシャルレンディングの税制度は株式やFXとは異なっています。
株式・FXの場合は利益に対して約20%の税率となっており、ソーシャルレンディングも同様と思われがちですが、実はそうではありません。
ソーシャルレンディングの税率はサラリーマン・OLの場合は、所得の金額に応じて変わります。
ソーシャルレンディングでは年収が高ければ、税率も高くなる可能性があるのです。
所得の金額に応じて課税されるため、20%以上(最大45%)の税率が適用されるケースも、それ以下(最小5%)となることもあります。
理由
株やREIT、FX、先物は日本の税制上は金融所得に分類され、通常の所得とは分けられて課税がなされます(申告分離課税)。
しかしながらソーシャルレンディングからの収益は、2017年度の時点で税務上は金融所得として認められておらず、通常の給与所得と同等の雑所得として扱われます。
考え方としては、「給与所得者Aさんが副業等で会社以外の所から利益を得たとしても、同じAさんの所得なので副業も本業も税率は変わらない」、といったイメージとなります。
そして雑所得は合計が20万円を超えると確定申告の必要が生じます。
昨今のビットコインを始めとする仮想通貨投資ブームの中、先日国税庁が「仮想通貨の売買から得た利益は雑所得に当たる」との見解を発表しましたが、ソーシャルレンディングも仮想通貨も得た利益の税務上の扱いは同じで、雑所得扱いとなります。
具体的な税率
上記で説明のように、ソーシャルレンディングから得た利益に対する税率は所得金額に応じて変わります。所得金額と税率の関係は下記となっています。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 427500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 636000円 |
900万円超1800万円以下 | 33% | 1536000円 |
1800万円超4000万円以下 | 40% | 2796000円 |
4000万円超 | 45% | 4796000円 |
※上記は所得税のみの計算、別途復興特別所得税(原則、その年分の基準所得税額の2.1%)が付加されます
株やFX等の税金にも復興特別所得税が付加されますが、概ね20%として算出した場合、所得金額が330万円以下の場合はソーシャルレンディングが得だと考えられます。
330万円超~695万円以下の場合はおおむね税率は同等。
そして695万円を超えると税率が23%となり逆転します。
税率23%であれば、対株式投資やFXと比べまだ許容範囲と言えますが、所得が900万円超となると税率は33%を超えるため、株やFXと比べると税務上の不利が如実に表れます。
ちなみに所得金額が4,000万円を超えると税率は45%となるため、利益の半分近くが税金となる計算です。
大まかに言えば、税金の面からの検討も必要となるといえるのではないでしょうか。
※年収=所得金額とはなりません、分かり易くするために年収1000万円との表現を利用しています。サラリーマン・OLの場合は、年末に会社等から受領する年末調整表に所得金額の記載があります。
課税面以外でコストを抑える方法
納税は国民の義務であり、ソーシャルレンディングで利益が出た場合の納税は必要不可欠です。
所得金額によっては比較的高い水準の税率となるソーシャルレンディングでは少しでも無駄なコストを抑えたいもの。
ソーシャルレンディング投資にかかるコストとして代表的なものは、出金手数料となります。
事業者によりスタンスは様々で、出金手数料が無料の事業者もあれば、何らかの条件(ex.規定の回数以上)で出金手数料を要する事業者もあります。
年収をはじめとした自身の収入により、ソーシャルレンディング投資の方針を考慮する必要もあるかもしれません。
【ソーシャルレンディング事業者別の手数料一覧はこちら】
・【どこが安い?】ソーシャルレンディング投資にかかる各手数料を事業者別に比較!
まとめ
金融商品で得た利益と税金は切っても切れない関係にあります。
ソーシャルレンディングも例外ではなく、利益額が20万円を超えると確定申告の義務が生じます。
ソーシャルレンディング投資では、自ら納税額を計算することが必要です。
ソーシャルレンディングの投資を始める前に、まずは自らの所得金額を確認して、利益が出た場合の税率の確認は最初の段階で行う事をおすすめします。
その上で投資判断を行い、投資後に利益が出た後に、必要なら確定申告を行い、納税を行うようにしたいものですね。
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