目次
- 1 融資型(貸付型)クラウドファンディングとは
- 2 融資型(貸付型)クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違い
- 3 融資型(貸付型)クラウドファンディングのメリット・デメリット
- 4 融資型(貸付型)クラウドファンディングのはじめかた
- 5 融資型(貸付型)クラウドファンディングのサービス
- 6 融資型(貸付型)クラウドファンディングサービス
- 7 不動産ファンドを扱う融資型(貸付型)クラウドファンディングサービス
- 8 海外ファンドを扱う融資型クラウドファンディングサービス
- 9 再生可能エネルギーファンドを扱う融資型クラウドファンディングサービス
- 10 事業性資金を扱う融資型クラウドファンディングサービス
- 11 まとめ
融資型(貸付型)クラウドファンディングとは
融資型(貸付型)クラウドファンディングとは、資産運用を行いたい投資家と資金ニーズのある企業をマッチングするプラットホームサービスです。
融資型クラウドファンディングの運営者はWebサイトを運営し、企業に融資する資金集めのためにWebサイト上でファンドを組成し、投資家から小口で資金を集めます。
企業はそのファンドによって調達資金で融資を受け、金利分を含めて融資型クラウドファンディング運営業者に返済します。
投資家は投資元本に加え、利率から融資型クラウドファンディング運営業者の手数料を差し引いた金額が利回りとして分配されます。
融資型(貸付型)クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違い
融資型クラウドファンディングとはソーシャルレンディングとも貸付型クラウドファンディングとも呼ばれます。
通常はソーシャルレンディングとの呼び方が通常ですが、クラウドファンディングの枠組みで語られる場合には融資型クラウドファンディングや貸付型クラウドファンディングと呼ばれることもあります。
各種クラウドファンディングと比較した融資型(貸付型)クラウドファンディング
不特定多数の個人から資金を集めるという点では、どのクラウドファンディングも同じといえます。
しかし、融資型(貸付型)クラウドファンディングは融資をそのスキームに組み込んだ投資商品であるという点が大きな違いです。
融資型(貸付型)クラウドファンディングのメリット・デメリット
ここからはクラウドファンディング各種と比較した、融資型(貸付型)クラウドファンディングのメリット・デメリットを解説していきます。
資産運用ができる
他のクラウドファンディングと異なり、融資型クラウドファンディングは資産運用になります。
つまり、投資した資金により利益が期待できます。
購入型クラウドファンディングの場合は、サービスや商品とともに起案者の顔が見えるため、支援を行うことによる共感などが得られます。
また、寄付型クラウドファンディングは手紙などをもらえることがあり、支援を行うことによる社会貢献を行えます。
投資型クラウドファンディングの場合は、融資がスキームに組み込まれていないため、必ずしも返済や利益を前提としていないこともあります。
そうした中、融資型クラウドファンディングの場合は、前提として投資した資金の返済及び利益の分配がなされるため、資産運用の選択肢となります。
※貸し倒れなどのリスクもあります。
投資先の顔が見えない
融資型以外のクラウドファンディングでは、どのような方や企業がクラウドファンディングによる資金集めを行なっているのか、支援者(投資家)側が把握できます。
しかしながら、融資型クラウドファンディングは借り手企業の詳細な情報は明かせません。
そのため、共感という点では他のクラウドファンディングの方が得やすいのではないでしょうか。
【融資型クラウドファンディングとはの概要をもっと知りたい方はこちら】
・ソーシャルレンディングとは|初心者投資家でも分かる特徴から投資方法まで
融資型(貸付型)クラウドファンディングのはじめかた
ここからは実際に融資型(貸付型)クラウドファンディングを始める方法を解説します。
実際に投資を実行するまでの手順は以下です。
- 1. 事業者を選定
- 2. 口座開設
- 3. 投資金入金
- 4. ファンドを選定
- 5. 投資
1.事業者を選定
融資型クラウドファンディング業界には現在、23事業者あります(2017年9月現在、フィンテナ掲載企業数)。
上場会社が運営するオーナーズブックというサービスやSBIグループのSBIソーシャルレンディングという大手金融グループ会社が運営するサービスもあれば、中小企業が運営を行なっているサービスもあります。
運営会社が万が一倒産してしまった場合は、投資家の投資金額への影響が考えられるため、運営会社の吟味は不可欠です。
また、各融資型クラウドファンディングサービス毎に特徴も異なります。
融資型クラウドファンディング業界では不動産系のファンドが多いものの、再生可能エネルギーや海外のファンドに特化した事業者もあります。
さらに、不動産系事業者の中でも、ファンドの特徴がそれぞれ異なります。
融資型クラウドファンディングの信頼性及びご自身の投資における方向性に合うか確かめるために、まずは事業者の吟味を行いましょう。
【各種融資型クラウドファンディングサービスを一覧したい方はこちら】
・どこがおすすめ?日本のソーシャルレンディング事業者・会社の一覧をまとめてみた
2.口座開設
投資を行う事業者を決めたら、当該口座を開設します。
融資型クラウドファンディングでは、1事業者ごとに1口座を開設する必要があります。
1つの口座で各事業者のファンドへ、横断的に投資はできません。
少し面倒に感じるかもしれませんが、分散投資の観点から、前もって複数事業者の口座を開設しておくと、スムーズな手続きが可能となります。
口座開設の流れは、大まかに以下の通りです。
- 会員登録に必要な情報を入力
- 投資家審査に必要な情報を入力
- 投資家審査
※本人確認書類も提出します
口座開設には事業者による審査を受けることが必須です。
審査基準は公開されていないものの、「生活資金を投資してしまわないか(資金使途)」、「十分な投資資金があるか」といった安全に投資ができる資質が確認されるようです。
【融資型クラウドファンディングの口座開設方法、流れはこちらから】
・ソーシャルレンディングの始め方。口座開設方法や審査内容について
3.投資金入金
いざ口座を開設できたら、投資用の資金を入金します。
なお、入金が反映されるまでは1営業日ほど要することがあります。
投資したいファンドにすぐ投資できる状態にするには、あらかじめ投資金を入金しておく必要があります。
4.ファンドを選定
投資金を入金したら、いよいよ投資するファンドを選びます。
融資型クラウドファンディングで投資を行う際は”分散投資”を心がけましょう。
分散投資の種類にも、「金額」「投資テーマ」「借り手企業」「事業者」「タイミング」と、複数の点に注意が必要です。
融資型クラウドファンディングは、借り手企業が債務を履行できない場合、投資家が損失を被ることがあります。
投資商品のためこうしたリスクがあること自体は避けられません。
しかし、分散投資により、大きな損失を被り、投資を諦めざるを得ないような状態を避けられる可能性が高まります。
【詳しい分散投資の解説はこちら】
・ソーシャルレンディング分散投資の方法とコツ
また、担保・保証の有無や内容の確認もファンドを保全性を確認する一つの指標となります。
リスクを抑えるためには確認しておくと良いでしょう。
【詳しい担保・保証の解説はこちら】
・ソーシャルレンディングにおける担保と保証の仕組みを徹底解説
5. 投資
ファンドを選んだら、投資を実行します。
昨今は、すぐにファンドが満額成立となり、投資に間に合わないというケースもあります。
事前にファンド公開日時を公開している場合もあるので、各融資型クラウドファンディング事業者のWebサイトをこまめに確認すると良いでしょう。
なお、フィンテナでは様々な切り口でファンドを横断比較できます。
投資ファンド検討の際にご使用ください。
融資型(貸付型)クラウドファンディングのサービス
融資型(貸付型)クラウドファンディングを行う事業者は20社以上あります(2017年9月時点)。
ここでは複数の切り口で、いくつかの融資型クラウドファンディング事業者をご紹介します。
- 実績が大きい
- 不動産ファンドを扱う
- 海外ファンドを扱う
- 再生可能エネルギーファンドを扱う
- 事業性資金を扱う
融資型(貸付型)クラウドファンディングサービス
オーナーズブック
不動産のプロフェッショナルが選定した不動産ファンドを提供しているのがオーナーズブックです。
オーナーズブックを運営するロードスターキャピタルは2017年9月に東証マザーズへ上場しました。
・オーナーズブックの口座開設はこちら
・オーナーズブックの口座開設方法はこちら
SBIソーシャルレンディング
金融業界大手のSBIグループが運営する融資型クラウドファンディングサービスがSBIソーシャルレンディングです。
運営会社の信頼性を武器に、着実に調達金額を積み上げています。
・SBIソーシャルレンディングの口座開設はこちら
・SBIソーシャルレンディングの口座開設方法はこちら
クラウドバンク
業界第3位の応募額を集めるのが、証券会社が運営するクラウドバンク。様々なテーマのファンドを提供しています。
・クラウドバンクの口座開設はこちら
・クラウドバンクの口座開設方法はこちら
maneo
融資型クラウドファンディング事業者の中でも累計応募額実績を積んでいるのがmaneo(マネオ)です。
同社は、不動産案件に限らない幅広いファンドと数多くのファンドを募集し、実績を積み上げています。
・maneoの口座開設はこちら
・maneo(マネオ)の口座開設方法はこちら
不動産ファンドを扱う融資型(貸付型)クラウドファンディングサービス
不動産ファンドを扱うクラウドファンディングサービスは数多くありますが、今回は数事業者記載いたします。
ラッキーバンク
※ラッキーバンクでは返済遅延していたファンドについて、債権譲渡が決定しました(2018年12月5日時点)。詳細はこちらをご覧ください。
高い利回りのファンドが魅力で、ほぼ全ての案件に担保がついているのがラッキーバンクです。
同社はこれまでに100億円以上の調達額を集めており、勢いのある融資型クラウドファンディングサービスです。
【不動産ファンドを取り扱っているその他の事業者はこちら】
・【16社】不動産投資ができるソーシャルレンディング事業者一覧と比較
海外ファンドを扱う融資型クラウドファンディングサービス
多くはありませんが、海外の案件に特化しているソーシャルレンディングサービスもあります。
クラウドクレジット
クラウドクレジットは新興国の案件を豊富に扱う、海外に特化したソーシャルレンディング事業者です。
ガイアの夜明けなどのメディアにも取り上げられており、金銭的リターンのみならず、社会貢献性も期待できるサービスとなっています。
再生可能エネルギーファンドを扱う融資型クラウドファンディングサービス
再生可能エネルギーファンドを扱う事業者は限られているものの、数社あります。
クラウドバンク
クラウドバンクは、再生可能エネルギーを含め、様々なテーマの案件を扱うソーシャルレンディング事業者です。
ソーシャルレンディング事業者の中では、比較的早くからサービスを展開しています。
グリーンインフラレンディング
グリーンインフラレンディングは再生可能エネルギーファンド特化の融資型クラウドファンディングサービスです。
※グリーンインフラレンディングでは新規ファンド募集が一時停止しています(2018年6月21日現在)。詳しくはこちらをご覧ください。
なお、先述のmaneo、SBIソーシャルレンディング、クラウドバンクでも再生可能エネルギーファンドを取り扱っています。
【再生可能エネルギーファンドを取り扱っているその他の事業者はこちら】
・【5社】再生可能エネルギーに投資できるソーシャルレディング事業者一覧
事業性資金を扱う融資型クラウドファンディングサービス
事業性資金ファンドに特化した事業者は少ないものの、同ファンドを扱う事業者は複数あります。
クラウドリース
クラウドリースは店舗ビジネス系のファンドに特化した融資型クラウドファンディングサービスです。
ほかにも、多くの事業者に同ファンドの募集がみられます。
まとめ
クラウドファンディングといえば、購入型クラウドファンディングを想起するかもしれませんが、融資型(貸付型)クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)は年々市場規模が伸長しています。
フィンテナではソーシャルレンディングの情報を広く深く提供しています。興味がある方はさまざまな事業者を見ながら、知識を深めてみてはいかがでしょうか。
【日本の融資型クラウドファンディングサービス一覧はこちら】
どれがおすすめ?日本のソーシャルレンディング事業者・会社の一覧をまとめてみた