
その高い保全性ゆえ、リスクが無いと思われることもあるソーシャルレンディングですが、貸し倒れなどにより投資家が損失を被ることもあります。
リスクを抑制する投資方法を行なっていない場合は大損の可能性も考えられます。
立ち直ることのできない大きな損失が発生してしまえば、いくら高利回りの金融商品に投資をしていても、元も子もありません。
今回はソーシャルレンディングでの大損を避けるために気を付けたい事項について、解説します。
投資は大損をしないことが第一
どんな投資でも同様ですが、投資は大損をしないことが最も大切です。ただしリターンを得るためには、リスクを取る必要もあります。
よって、リスクを抑える方法を知ることが、投資を行う際には不可欠です。
元本保証型の金融商品ではないソーシャルレンディングには、当然リスクは付き物です。
多少の損はリスク性の商品であり避けられない面がありますが、大損は事前の対応によって避けられる可能性が高まります。
以降、ソーシャルレンディングで大損を避けるためのポイントを見ていきましょう。
【ソーシャルレンディングと元本保証型投資の関係はこちら】
・ソーシャルレンディングは元本保証?元本保証型の資産運用と比較しました
1. 分散投資に徹する
ソーシャルレンディング投資におけるリスク管理は「分散投資」に尽きます。
多数のサービスがあり、様々な案件みられるソーシャルレンディングでは、分散投資におけるポイントも複数あります。
「案件の分散」、「金額の分散」、「業者の分散」、「タイミングの分散」が代表的な分散内容となります。
投資金額が少ない時は分散投資についてそれ程意識する必要はありませんが(少額資金の場合はそもそも分散が難しい)、投資金額が大きくなるにつれリスクを避けるためには分散が必要不可欠になります。
分散投資において、具体的にどれほど分散すれば良いかは、金額及び個人の考え次第の面が多くなるので、一概には言えません。
集中投資することはどのような場合でも、リスクも集中させているということを認識しましょう。
【ソーシャルレンディングの分散投資についてはこちら】
・ソーシャルレンディング分散投資の方法とコツ
・ソーシャルレンディング歴5年の投資家に学ぶアロケーションの考え方
2. ソーシャルレンディング事業者を調べる
ソーシャルレンディング市場には多くの事業者が参入していますが、業界最大手のmaneoもまだIPOなどをしておらず、業界としては発展途上の状況にあります。
中小企業も多い状態です。各運営会社の資本力には差もあるでしょう。
日本に限らず海外においても、ソーシャルレンディングは事業者のリスク考慮が必要不可欠です。よってソーシャルレンディングにおいては、信頼のおける事業者の選別眼も求められます。
事業者への口座開設のみならば投資リスクはありませんが、いざ実際に入金を行い投資を行う事業者については、事業者の調査も欠かせません。
成立ローン額や各事業者の特徴などを見れば業界内での立ち位置が分かりますし、フィンテナを始めとする各ソーシャルレンディングサイトにおいて事業者の紹介がなされています。
また事業者名や事業者の社長名で検索を行うことも有効です。
上場会社グループの事業者を除けば、開示されている情報は多く無いため、情報は自分で探すしかありません。
この一手間をかけられるかどうかが、運営会社のリスクを避ける大きな分岐点ともなりえます。
そして投資前の段階だけではなく、継続投資を行うケースが多いため投資を行った後も事業者の情報にはアンテナをはっておきましょう。
【各事業者の実績などはこちら】
・ソーシャルレンディング事業者横断比較
3. 案件の内容を理解する
ソーシャルレンディングでは限定された内容ではあるものの、各案件の内容が開示されています。
どのような不動産業者に融資するのか、どのような太陽光事業者に融資するのか、担保はどういったものかなどの情報は確認できます。
投資の鉄則に「自分の理解できないものには投資しない」というものがあります。
ソーシャルレンディングにおいても同様で、自分の理解を超えるもの、違和感を感じるものには投資しない、とのスタンスが求められます。
少なくとも自分の貴重な投資資金をどんな案件に投じているか、の把握は必要不可欠です。
何に対して投資しているか分からない状態は、どんな損が発生するか分からないと同じとも考えられます。
用語などは調査を行なったり、各種記事にて解説もなされています。
不明な部分は学んだり、問い合わせした上での投資を行うことで、思わぬ大損を避けられるのではないでしょうか。
【各案件テーマについて学びたい方はこちら】
・ソーシャルレンディングにおける太陽光発電案件選びの考え方
・ソーシャルレンディングで海外ファンドに投資する際の注意点
・シニアローン・メザニンローンとは。意味や活用事例と注意点
4. 投資資金を一気に投入しない
ソーシャルレンディングに限りませんが、なぜか人間は投資資金を用意すると一気に投資をしてしまうことがあります。
ソーシャルレンディングにおいてもルールを定めるなど何も対策をしないと、用意した投資資金を一気に投じてしまいがちです(一気に投資はしない、と自信のある方は大丈夫ですが)。
特に最初の段階では一気に用意した投資資金を投じて、大損をした際に後悔することも考えられます。
こうした事態を避けるためには、自らに枠をはめるようなルールを作ることが有効です。
用意した資金を何等分かして投資タイミングをずらす・月の投資上限額を決める等のルールを作ることで、一気に投資を行い一気に損失を計上するような事態を避けることができます。
ソーシャルレンディングで大損というリスクを避けるために、特にスタート当初に一気に資金を投じないよう自らにリミッターを設定することをおすすめします。
【ソーシャルレンディング投資のルール付けの参考記事はこちら】
・「ラダリング」でソーシャルレンディングの流動性デメリットを解消!コンセプトと実践方法を解説
・【投資額別】ファイアフェレットのオススメ分散投資術
まとめ
日々の値動きがないという点で安心して運用できるソーシャルレンディングですが、市場の変動をはじめとして注意するべき点も複数あります。
前もって対策を行なっていない場合、大きな損失を被ることも考えられます。
ソーシャルレンディング投資に慣れてくると「分散投資」、「事業者の内容」、「案件内容」は自然と意識するようになりますが、スタート当初は特に「一気に資金投入しない」との点はご注意ください。
ソーシャルレンディングはリスク性の金融商品です、リスクとの向き合い方を知った上で付き合っていきましょう。