FXトレードで損を被った末にソーシャルレンディング投資を始める方も少なく無いようです。しかし、FX投資とソーシャルレンディング投資は相違点が様々あります。
株は長期投資という観点で見ることができますが、FXはレバレッジがかかるため、読みが外れた際は長期投資が命取りとなります。
基本的には全く別物のFXとソーシャルレンディングですが、資金管理の必要性だけはFXもソーシャルレンディングも同様です。
今回はFXとソーシャルレンディングの違いについて考えてみました。
目次
FXを経てソーシャルレディングにたどり付く方が多い
FX投資と比較するとまだまだ広く知られているとは言えないソーシャルレンディング投資。
そんなソーシャルレンディング投資を行う投資家はの中には相応も経験者が多いようです。
例えば、FX投資を行ってみた結果、想定していたよりも難し、FXを諦め他の投資商品を探した末にソーシャルレンディング投資にたどり着いた方も少なく無いように感じます。
FXはゼロサムゲームと言われる世界です。
経験や知識が多分に必要となるため素人は敗者になりやすく、結果的に大きなマイナスを計上して退場する方も多い世界です。
FXは相場性商品という大前提を踏まえての比較
FXは株と同じく日々の価格の値動きのある相場性商品です。
一方、ソーシャルレンディングは一度投資を実行すれば、基本的には満期を迎えるまで元本の償還と利益の分配を待つのみという投資商品です。
FXとは異なり相場生商品ではありません。
以降、「相場性の有無」の観点からソーシャルレンディングとFXの違いを3点ピックアップいたしました。
1. FXはレバレッジがかかっている
FXは最大25倍のレバレッジをかけることができます。
10,000円を入金することで、最大250,000円までの取引が可能なのです。
レバレッジをかけると大きな利益が得られる可能性がある一方、失敗すると大きな損失を被る可能性もあります。
仮に投資金額以上の損失が出ない場合でも、損切りが出来ずに気が付いた時は元金を大幅に毀損するリスクがあります。
ソーシャルレンディングではレバレッジをかけることはできないため、投資金額以上の損失は生じません。
当然投資商品なので、投資金額が毀損するリスクもありますが、分散投資を行うことでリスクの軽減が可能です。
一方、FX投資のように大きな利益を生むことはできません。
【ソーシャルレンディングではレバレッジをかけられるのか?知りたい方はこちら】
・ソーシャルレンディングはレバレッジをかけられるのか?ローンでソーシャルレンディング投資をする方法
2. 利益を出すための技術の有無
外国為替取引にレバレッジをかけて行うFXでは、継続的に利益を出すために知見が必要です。
どの時点でポジションを持って、どのタイミングで決済して、どのタイミングで損切りするかなど、利益を上げるためには入口(エントリー)から出口(決済)までの一連のトレードにおける”技術”が重要なのです。
一方、ソーシャルレンディングは案件や事業者の選定重要ですが、同じファンドに初心者と玄人の差が出づらい投資商品です。同じ案件を選べば誰でも同じ利回りとなります。
投資の注意点やノウハウさえ知っていれば、初心者でも上級者の投資方法の再現性が高いと言えます。
FXの場合、トレード方法を習っても実践には個人のセンスなどによって差が出やすいと言えるでしょう。
3. 税制の違い
FXとソーシャルレンディングで案外知られていない違いとして税制の違いがあります。投資商品でいえば、株・FX・ソーシャルレンディングの3者はいずれも税制が異なっています。
株は通常の所得とは切り離された分離課税ながら、源泉分離を選べば確定申告の必要はありません。
一方でFXは分離課税ではあるものの源泉分離の制度がないため年間約20万円以上の利益が出た場合は必ず確定申告が必要となります。
一方、ソーシャルレンディングで生じた収益は総合課税となります。
総合課税とは基本的に給与所得等と合算で課税される制度です。
株及びFXは利益額に関係なく利益に対し約20%の課税となりますが、ソーシャルレンディングは給与所得等から算出される税率によってその税率が変わってきます。
累進課税(所得が多い人ほど税率が高くなる)が適応される総合課税では、最高税率は45%であり、所得の多い人がソーシャルレンディング投資で多額の利益を出すと利益の半額近くを税金で収める必要が生じてしまいます。
以前はFXも総合課税と分離課税に分かれていましたが、現在は分離課税に一本化されています。
金融商品としての性質を有するソーシャルレンディングにおいても、今後いずれかのタイミングで所得金額にかかわらず税率が約20%の分離課税方式となることを期待したいところです。
【ソーシャルレンディングの税金について知りたい方はこちら】
・ソーシャルレンディングの確定申告方法。税金計算の仕方や確定申告の必要可否も!
FX投資家から見たソーシャルレンディング投資の個人的見解
上記で教科書的にFXとソーシャルレンディング投資の違いについて書きましたが、下記はFXトレードを中心に投資を行っている筆者の個人的見解となります。
基本的にはFXとソーシャルレンディングは全く別物と考えるべきです。
FXは投資というよりも技の世界。
技を身につければ、一生食べるに困らないかもしれませんが、その技を身につけるには多くの知識そして経験を積む必要があります。
そして意外な盲点ですが、サラリーマン等の兼業投資家が想定する投資の収益を得るのであれば、実はFXはそれほど多額の資金は必要としません。
例えば月間100,000円程度の利益であれば、トレード技術が身に付けば、元手で1,000,000円程度で利益を上げることができます(トレード技術がある前提)。
FX初心者が最初に大きな金額を投じて、気が付けば資金が大幅に目減りしているという事態は多いのですが、FX専業投資家で食べていこうと思わなければFXはそれほど大きな金額は必要としません。
よってFXのトレードをする場合でも兼業投資家の場合は、FXトレードに利用する以外の資金をソーシャルレンディングに投じるという選択肢があってもよいと考えています。
FX初心者の場合、必要以上にFXに資金を投じてしまう可能性が高いです。
よって、一度投資を行えば期間が到来するまで出金が不可能なソーシャルレンディングは“資金を守る”という観点から、逆説的に初心者FX投資家こそソーシャルレンディング投資にも注目すべきと考えます。
途中でFXに挫けてしまっても大金を失う可能性は低くなりますし、自分の求めていたものはFXではなく、日々の価格変動なく投資収益を上げられるソーシャルレンディング投資だったと思うかもしれません。
FXで損失を出してソーシャルレンディング投資に特化する方も多いため、FXに携わる最初の頃から、知識としてでもソーシャルレンディングを知っておくことも良いのではないでしょうか。
【ソーシャルレンディングに関して網羅的に知りたい方はこちら】
・ソーシャルレンディングとは?投資初心者でも分かる特徴から投資方法まで
資金管理の重要性はFXもソーシャルレンディングも共通
FXとソーシャルレンディング、いずれも必要とされるのは資金管理です。
FXの場合は現在の投資元本に対してどの程度の金額をリスクにさらすのか定める必要があります。
また多額の金額を投じる際には分散投資が必要不可欠となるソーシャルレンディングにおいても、最終的に資金管理が必要不可欠となります。
1~2件で小額投資の場合は資金管理も必要ありませんが、投資資金が増えるとともに資金管理の重要性は増していきます。
ソーシャルレンディングの運営会社や案件の内容、案件の期毎など、それぞれを踏まえた上で過度に資金が偏らないように分散投資を行う必要があります。
FXとソーシャルレンディングは多くの違いがありますが、資金管理が大切なのは共通項目です。
もし資金管理を特にしていないようなら、資金管理について改めて考えてみることをお勧めします。
まとめ
FXとソーシャルレンディングは全く別物という観点から、FXとソーシャルレンディング投資の違いを述べました。
個人のトレード技術に応じて投資パフォーマンスが異なるFXに対して、ソーシャルレンディングは初心者でも上級者と同等の投資パフォーマンスを出しやすいという特徴があります。
投資というカテゴリーにおいてはFXもソーシャルレンディングも同じカテゴリーに属しますが、レバレッジの有無等、両者の性質は非常に異なっています。