こんにちは。中田健介です。
今回、個人投資家でソーシャルレンディング投資にも詳しいペンタ氏にインタビューさせていただきました。
30代前半とまだお若いのですが、会社員を卒業して専業投資家をされています。
専業投資家になったいきさつや、ソーシャルレンディング投資の際に気を付けていることなどを伺いました。
専業個人投資家になった経緯
ーー投資自体を始めたのはいつですか?
2009年からです。
それまでサラリーマンを3年ほどやりましたが、給与以外にも収入の手段が欲しかったので、投資を始めました。最初は株主優待や配当金を目的としていました。
たまたまリーマンショック後で株価が安かったので、良い時期に始めたと思います。
ーーその頃はどんな仕事をされていたのですか
メーカーで経理業務を務めていました。
そのため、財務諸表や原価といった数字を分析することについては経験していました。それは投資をする上でも非常に役に立っています。
ーー専業投資家になったのはいつですか
2015年頃です。
ーーなぜ専業投資家になったのですか
元々サラリーマンは向いていないと感じており、長く続けるつもりはありませんでした。
当時はアベノミクスの影響でだいぶ投資成績が良く、資産も4億円ほどに増やすことができたことがきっかけとなり、専業投資家となる決心をしました。
ーー会社員をやめることに不安やご家族の反対などはなかったのでしょうか
当時すでに結婚していたので、もちろん今後の生活の見通しなどについて不安はありました。
ただ、幸い家族の反対はあまりありませんでした。
ペンタ氏が資産を築いた方法
ーーどのようにしてそれだけの資産を作ったのですか
最初は自分の資金だけで投資をしていたのですが、やがて両親の資産も運用するようになりました。
それを含めて、5~6年間で資産を4倍にすることができました。
主な投資対象は、ジャズダックやマザーズで取引されている国内の中・小型株です。
中・小型株に興味をもったのは、ひふみ投信の藤野社長のセミナーに参加したことがきっかけでした。
投資対象の企業についてしっかり調査をして、長期保有する方針でやっています。
例えば、飲食チェーンの「かつや」を手掛けるアークランドサービスは、自分でたまたま店舗に行ったとき、美味しいのに株価が安かったので興味を持ち、いろいろ調べた後に投資しました。
また、中古ショップを手掛けるトレジャーファクトリーにも投資しました。
投資を始めたころはサラリーマンとして勤務しており忙しかったので、昼間は株価を見ることができませんでした。
そのため、短期売買ではなく、安定的に成長している企業の株式を買って長期保有するスタイルで投資していました。このスタイルは今でも変わりません。
ーーどのように投資の勉強をされたのですか
基本的には独学です。
もともと様々な企業のビジネスモデルに興味があり、そうした書籍を読むのが好きでした。自分が儲けたいというより、そのビジネスモデルに将来性があるかどうかで投資対象を決めています。
また、会社四季報や企業のホームページ、他の投資家のブログなどからも情報を得ています。
専業になってからは、経営者の顔を見て投資するようにしており、株主総会やIR説明会などにもなるべく出るようにしています。
同じ考えで、ソーシャルレンディングのセミナーにもかなり参加しています。特にmaneoのセミナーには何度も参加しています。
ーー現在はどんな投資を手掛けていますか
専業になってからは時間があるので、より幅広く投資しています。
現在は中国・アメリカ株、不動産ファンド、債券、FX、ソーシャルレンディングなども手掛けています。
ーー投資では毎年どれくらいのパフォーマンスをあげているのでしょうか
全体としては、毎年30%ほどのパフォーマンスをあげています。
昨年は調子がよく、50%ほど資産を殖やしました。
ーー投資スタイルはどのようなものですか
ビジネスモデルが優れた企業で、株価が割安だと思えば買います。
売るタイミングとしては、株価が2倍になったら保有分の1/3を売る、あるいは逆に株価がある程度下がったらいくら売る、といったルールを決めています。
また、決算書の内容が思ったほど良くなかった場合も売ります。
成果を出し続ける投資の極意とは?
ーー投資の際に気を付けていることは何ですか
キャッシュがないと欲しいタイミングで買えないため、資金管理が最も重要だと考えています。
基本的にはキャッシュで投資しています。
時には信用取引も使うこともありますが、あまり使いすぎないようにしています。
ーー大きな損失を出したことはありますか
株式投資で損をしたことは何度もあります。
最初はそのたびに落ち込んでいましたが、今では、損切りして他のもっと良い銘柄に買い替えることができたのだから良かったと思うようにしています。
逆に、下がってしまった銘柄をいつまでも持っていると精神的によくありません。
ーー専業になる前後で投資の仕方に違いはありますか
兼業の時は、万一投資に失敗しても生活には困らないため、ある意味では気楽でした。
専業になってからはプロ意識が芽生え、パフォーマンスを出しつつけないとならない・兼業の人には負けたくないという思いはあります。
ただ、専業になってから特にパフォーマンスが上がった訳ではないので、時間をかけるほど勝てるものでもないようです。
ーー平均的な一日の過ごし方はどのようなものですか
朝は8時頃起きて、マーケットをチェックします。
日中はあまりやることがなく、説明会に参加したり、運動をしたり、本を読んだりしています。
ただ、3か月に1度の決算発表の時期は内容をチェックし、不明な点があればIRに電話して確認するので、結構忙しいです。
ーー今後投資してみたいものは何ですか
株式型クラウドファンディングには興味あり、機会があれば投資したいと考えています。
また、ICOのように、ビットコインでお金を集める仕組みは面白いと思います。
個人で直接不動産を経営するというのは手間がかかりそうなのであまり興味がありません。
自分がやるより、うまい人に任せたほうがいいと考えています。いろいろなものに投資したいという思いがあります。
【株式投資型クラウドファンディングについて詳しく知りたい方はこちら】
・株式投資型クラウドファンディングとは|その特徴やメリット、他の種類と比較しました
ーー専業投資家になってから何か苦労したことはありますか
専業になって1年目はお金がなくなってしまう不安があり、あまりお金を使えませんでした。そのためあまり外出せず、エアコンや暖房もほとんど使いませんでした。
投資に失敗してしまうのではないかという恐怖があり、守りに入ってしまっていました。
ただ、2年目からは、せっかく時間があるのだからやりたいことをどんどんやろう、と気持ちを切り替えました。
海外旅行や有料のイベントなどにも行くようになりました。それでも普段家にいるので思ったほどお金はかからないとわかりました。
ーー専業投資家を目指す方に何かアドバイスがあればお願いします
常にお金のことだけを考えていると疲れるので、それ以外の楽しみを見出したほうが良いでしょう。
投資家の中にはパフォーマンスだけを追求している人も多いのですが、他人と成績を比較して一喜一憂したりすると精神的に疲れるように思います。
IR説明会に参加したりすることは必ずしもパフォーマンスにつながっていないかも知れませんが、私にとってはそれ自体楽しいので、ストレスはありません。
また、経営者の考え方や人柄を見て投資することも好きで、必ずしもパフォーマンスだけを追求しているわけではありません。
ソーシャルレンディング投資を行う理由
ーーソーシャルレンディング投資を始めたきっかけは何だったのでしょうか
株式投資の情報を収集していた時にロジコムを知ったのがきっかけでLCレンディングに興味を持ち、投資を始めました。
ーー株式投資でそれだけのパフォーマンスが出せるならソーシャルレンディングに投資する必要はないのではないでしょうか
株式投資をやっていると、ときどき資金が浮いてしまうこともあります。遊ばせていてももったいないので、そうした資金をしばらくソーシャルレンディングに投資しています。
あまり長期のファンドには投資せず、半年くらいのものが中心です。
ソーシャルレンディングはサービス自体が開始してからまだ間もないし、応援したいという気持ちもあります。
現在、ソーシャルレンディング事業者全体で5000万円くらい投資しています。
新しいサービス事業者にも積極的に投資しています。
新しいソーシャルレンディング事業者の方が投資家を集めるために利回りが高く、また最初の案件は事業者としても失敗できないため安全性も高いのではないかと考えています。
ーー他の専業投資家の方はソーシャルレンディングについてどのように見ていますか
あまりソーシャルレンディングをやっている人はいません。貸倒れのリスクがあるため、利回り10%程度だと低いと考えるようです。
ーーこれまで投資したソーシャルレンディング事業者はどこですか
LCレンディング、クラウドリース、スマートレンド、グリーンインフラレンディング、さくらソーシャルレンディング、キャッシュフローファイナンス、アメリカンファンディングに投資しています。
なお、中国のソーシャルレンディングにも投資しています。利回りは高いのですが、お金を返さない人も多いです。
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ーー好きなサービス事業者はどこですか
いろいろありますが、最近はキャッシュフローファイナンスに投資しています。
コインランドリーなど、毎月キャッシュが入っているようなビジネスがもともと好きな点と、キャッシュフローファイナンスのロジックを考慮した上で判断しています。
また、説明の仕方もわかりやすく、見せ方もうまいと思います。
ーーソーシャルレンディング投資の良いところはどんなところでしょうか
短期間で投資でき、また期間を選べる点はとても良いと思います。
安定して利益をあげられる点も気にいっています。現在、ソーシャルレンディング投資だけで毎月20万くらいは入ってきます。
ーーファンドを選ぶ際はどんなところに気を付けていますか
借り手企業のビジネスモデルに注目しています。
どういう資金用途で、どういうビジネスなのか、いくらくらいお金が入ってくるのか、といった点です。不明な点があるときは事業者に質問します。
また、担保よりもキャッシュフローを重視しています。
例えばコインランドリーなどのビジネスだと、いくらくらい儲かるかは他の事例からある程度わかります。
ーーソーシャルレンディングのデメリットや懸念はありますか
貸倒れや事業者の倒産などがもし発生したらどのくらいの被害が出るのかは気になります。
まだ貸し倒れがほぼ起こっていないためか、そこの説明があまりないように思います。
ただ、今後規模の拡大に伴い、貸し倒れはどうしても出てくるでしょう。
ーーサービス事業者に改善してほしいところはありますか
全般的にもっと説明が欲しいです。株式投資でもそうですが、社長の顔が見える会社のほうが安全だと考えています。
もし借り手企業の匿名化がなくなれば、類似企業の業績などと比較できるのでもっと投資しやすくなると思います。
まとめ
株式投資などで大きな実績をあげている専業投資家の方からソーシャルレンディングはどのように見えているのか興味があり、今回インタビューさせていただきました。
ペンタ氏は、投資に限らず全般的に考え方がしっかりされていて、お話を伺っていて個人的にも大変勉強になりました。
将来的に専業投資家を目指している方は、今回のインタビューをぜひご参考としていただければと思います。
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