老後資金をソーシャルレンディングで作るには何年かかるのか?

老後資金をソーシャルレンディングで作るには何年かかるのか?

こんにちは。中田健介です。

先日フィンテナで行なった20代から40代の社会人を対象とするアンケートによると、将来的にお金の不安が最も大きくなる年代として、「60代」と回答した人が最多でした。

年金の支給開始年齢は徐々に引き上げられており、また平均寿命も延びているため、老後に不安を抱く人が多いのは理解できます。

そのため、老後に備えることを目的として資産運用をしている方は多いでしょう。

では、ソーシャルレンディング投資で老後の資金を作ろうと考えた際、いくらくらいの投資資金が必要で、どのくらいの年月がかかるのでしょうか。

老後の資金はいくら必要か

まず、老後の資金は、いくら必要なのでしょうか。

これについては、その人が既婚か独身か、子供がいるか、持ち家があるか、定年後も働くか、退職金や年金の受給額がいくらか、住む地域はどこか、健康状態は良好か、どれだけ長生きするか、などの要素によって変わってくるので、もちろん一概にいくらとは言えません。

また、趣味や旅行などを楽しむ経済的な余裕が欲しいかどうかによっても必要な老後資金は異なります。

実際にこういったテーマの記事は多く見かけますが、「定年後も働けるなら老後の資金は不要」というものから、「夫婦でゆとりある生活を送るには1億円が必要」といったものまで、その結論はさまざまです。

そこで今回は、目安として老後資金「5000万円」と「1億円」の2つのケースについてそれぞれ検討してみたいと思います。
いずれも60歳時点の資金とします。

老後資金をソーシャルレンディングで作るには何年かかるか

5000万円もしくは1億円の老後資金をソーシャルレンディング投資で作ろうとしたら何年かかるのでしょうか。
以下の条件で考えてみたいと思います。

  • ・ソーシャルレンディングの平均利回り(年利):6.5%
  • 2017年2月時点のソーシャルレンディングファンドの平均利回りは約8.2%です(※1)
    本記事では源泉徴収税20%分を差し引き、6.5%として計算します。

  • ・毎年追加する投資金額:100万円
  • 毎年自分の給与所得の中から100万円ずつを投資に回すものとします。

 

ケース1 老後資金5000万円を目標とする場合

上記の条件で5000万円を達成するには22年かかります。
60歳をゴールとするのであれば、38歳から投資を始める必要があります。

老後資金をソーシャルレンディングで作るには何年かかる

後半になるほど資産額の伸び率が高くなっているのは、分配金を再投資することで得られる複利効果によるものです。

もしもあなたが38歳以上で、もっと短い期間で資金を準備したい場合は、毎年の投資金額を100万円よりももっと多くする必要があります。

なお、60歳で5000万円の資金を作ることができれば、それ以降は分配金だけで毎年325万円が得られることになります。

それだけで生活費全てをまかなうには少し厳しいかも知れませんが、かなりの助けになるのではないでしょうか。

ケース2 老後資金1億円を目標とする場合

同じく1億円を達成するには31年かかります。
60歳をゴールとするのであれば、29歳から投資を始める必要があります。

老後資金をソーシャルレンディングで作るには何年かかる

31年間、毎年100万円ずつ投資しなければならないというと、きっと困難な印象を受けるでしょう。
しかし、もし一切投資をせずに31年間で1億円を貯めようと思ったら、毎年323万円ずつ貯金しなければならないことになります。

それと比較すればはるかに楽だと言えるでしょう。

なお、60歳で1億円の資金を作ることができれば、それ以降は分配金だけで毎年650万円が得られることになります。
普通に生活する分には十分な金額ではないでしょうか。

ところで、5000万円を達成するには22年間かかるのに対して、1億円を達成するのは31年間ですみます。

2倍の金額を達成するのに、投資期間は9年違うだけです。

年利6.5%の複利効果はかなり大きいということが実感できるかと思います。

老後資金をソーシャルレンディングで作るために心がけるべきこと

ソーシャルレンディングで老後資金を作る方法

ソーシャルレンディング投資を活用して老後資金を作ろうとするなら、以下の点を心がけましょう。

計画的に投資する

老後資金を作ろうと思い立った時点で、しっかりとした計画を立てましょう。

まずは何歳の時点をゴールとし、老後資金はいくらを目指すのかを決めます。
毎年いくらずつ投資し、年利何%で運用すればそれを達成できるのかシミュレーションし、計画表を作成しましょう。

結婚・子供の進学・住宅購入といったお金のかかるイベントも計画に織り込みましょう。
不測の事態により計画通りにいかないこともあり得るので、若干余裕を持って計画を立てることをお勧めします。

また、運用を始めたら、定期的に計画と実績を見比べて状況を確認しましょう。
ソーシャルレンディングには貸し倒れの可能性もあります。
必ずしも計画通りに積立できるとは限らないことには留意が必要です。

ちなみに、私自身もこうした計画表を31歳の時に作り、以降それに沿って運用しています(当時はまだソーシャルレンディング投資でを手掛けていませんでしたが)。

途中リーマンショックなどで大きく計画を下回ってしまった時期もありましたが、それ以降投資金額を増やすことで現在では計画を上回ることができています。

複利効果を活かす

ソーシャルレンディング投資を活用して老後資金を作るのであれば、いかに複利効果を活かすかがポイントです。

特に20年・30年といった長期投資においてはその効果は非常に大きなものとなります。

毎年自分で決めた追加投資額を守る

一度計画を立て、例えば「毎年100万円ずつ運用に回す」と決めたのであれば、それを守りましょう。

特に、計画が予定以上に順調に進んだ場合、つい気が緩んでお金を使ってしまいがちです。

分配金が定期的に入ってくるようになったからといって生活レベルを上げてしまわないようにしましょう。

リスクを見極めた上で投資を行う

まとめ

現在は先行き不透明な時代でもあり、老後に関して資金面での不安を抱いている方は多いと思います。

しかし、この低金利時代に老後の資金を銀行預金だけで準備するのはなかなか難しいのが実情です。

これを機会に、ソーシャルレンディングを活用した長期的な資産形成を検討してみてはいかがでしょうか。


(※1 データで分かるソーシャルレンディングの現状と仕組みとは?【ソーシャルレンディングサミットレポート】https://fintenna.jp/1902/)