【10選】ソーシャルレンディングの問題点・課題まとめ

【10選】ソーシャルレンディングの問題点・課題まとめ

昨今話題となっているFintech領域において、中心的な領域の1つであるソーシャルレンディング。ソーシャルレンディングは利回りも保全性も比較的高いですが、デメリットや課題となる部分もあります。
今回の記事では、ソーシャルレンディングにおいて問題点となりうる項目や課題を解説します。

ソーシャルレンディングの問題点

元本保証はされていない

ソーシャルレンディングは、元本保証型の金融商品ではありません。常に貸し倒れリスクを孕んでいます。

貸し倒れとは、借り手企業の倒産などが理由で、ファンドで募集した金額を返済(償還)できない状態を表します。
貸し倒れが発生すると、ソーシャルレンディング投資家には、投資金の全額もしくは一部が返済されないため、損失を被ることとなります。

貸し倒れは一定の確率で発生するものですが、問題点となりうることをあらかじめ理解しておきましょう。
有事の際の損失額をできる限り抑えたい場合は、分散投資やリスクの見極めといった賢明な投資を行うようにしましょう。

手数料が発生する

他の投資商品と同じく、ソーシャルレンディングも手数料が発生する場合があります。

手数料の種類には、投資資金を振り込む時や、出金の際に必要な出金手数料があります。また、ソーシャルレンディング事業者によっては、口座開設手数料や運用手数料などもあります。

ソーシャルレンディングのようなコツコツと積み立てていく投資では、コストを抑えることが大切です。
例えば、頻繁に投資金の払い戻し(出金)を行うと、手数料が多くなってしまうという問題点があります。

事業者が行なっているキャンペーンの活用や通常手数料の調査などしっかり行うようにしましょう。

一度投資をすると満期まで解約ができない

ソーシャルレンディングは投資したい個人から集めた小口の資金を大口化して借り手企業に融資するというスキーム。
融資という仕組みを含んでいるため、一度投資を行うと、借り手企業が返済を完了する「満期」まで途中解約することはできません。
※例外もあります

投資家の事情で急に現金が必要になったとしても、投資資金を引き上げることはできないため、これをソーシャルレンディングの問題点と考える方もいるでしょう。
投資資金は、生活資金を充てるのではなく、余裕資金にて行うようにしましょう。

ただし、見方を変えれば、株式投資などと違い、資金を引き上げるか悩む必要もないというメリットもあります。
途中解約ができないことは必ずしも問題ではなく、腰を据えて投資を行いたい人には、逆にメリットにもなりうるのです。

借り手企業の詳細な情報がわからない

ソーシャルレンディングの問題点・課題まとめ

ソーシャルレンディングは金融商品取引法と貸金業法という2つの法律にまたがったビジネスモデルです。
貸金業法にのっとり、借り手企業名をはじめとした詳細な情報を投資家が知ることはできません。
案件情報には、運用期間や利回りなどの情報以外は概要レベルの記載しかないのがほとんどです。

投資家の納得感や安心感を考慮すると、ソーシャルレンディング事業者が集めた資金が、実際にどの企業に融資されているか投資家から見えないことはソーシャルレンディングの問題点の1つといえるでしょう。

ソーシャルレンディングに対する法律の整備次第で、今後借り手企業の情報がより公開されるかもしれませんが、現状においては確認することができません。

投資家は、担保や保証の情報をはじめとしたファンドの見極めやソーシャルレンディング事業者自体の信頼性をしっかり確認するようにしましょう。

「投資申し込み」から「ファンド運用開始」までの待機期間

待機期間とは、実際に投資家がファンドを運用するとしてファンドに申し込みをした時点から実際にファンドが運用開始されるまでのタイムラグをいいます。

例えば、募集期間が8/1から8/15までの案件の場合、必ずしも募集期間が終了した8/16から運用が開始されるわけではありません。実際は、貸付先との契約などにより、9/1になる可能性もあります。

そうなると、募集期間が終了してから実際に運用されるまで、投資金には利益はつかない状態となります。これがソーシャルレンディングで待機期間が発生する問題点・デメリットです。

早期償還がある

早期償還とは、資金を貸し付けていた企業から繰り上げ返済が発生した場合に起こります。
早期償還されることで、元本がその分早く手元に戻ってくるメリットもありますが、その分利息を得ることができず、想定していた分配総額を得られない可能性や、再投資する場合はその分手間を要します。

早期償還が発生する背景としては、企業やプロジェクトが想定以上に早く利益を確定できただけでなく、借り換えなどによりソーシャルレンディング事業者から借りたお金を返済することなどがあります。
投資家の意思に関わらず早期償還の可能性があることは、投資家によっては問題点と捉えられるかもしれません。

借り手企業が集中してしまうリスク

異なるファンドに投資したものの、実際は同一の企業に貸し付けられていることがあります。
ソーシャルレンディングでは必ずしも1つの借り手企業あたり、1つのファンドしかないというわけではありません。

投資家が分散投資をしたと思っていても、借り手企業が同一だとリスク分散ができていないという状態になってしまいます。
これをソーシャルレンディングの問題点として捉える投資家の方は、借り手企業が分散できていることをしっかり確認して投資しましょう。

フィンテナでは同一の貸付先を含むファンドを確認できます。
実際に投資を行う際は、誤って貸付先が重複してしまわないように気をつけましょう。

まだ財政的に磐石でない事業者も多い

ソーシャルレンディングの問題点・課題まとめ

ソーシャルレンディングはまだ発展途上の金融商品です。
現在(2017年7月時点)、フィンテナに掲載しているソーシャルレンディング事業者は22会社ですが、中小企業も少なくありません。

事業者が万が一倒産という事態になると、元本も返済されません。有事の際にはソーシャルレンディングの信用リスクも高まります。
ソーシャルレンディング事業者の倒産や不祥事が起こると、ソーシャルレンディング自体の問題点と言われることもあるでしょう。

しかし、これはソーシャルレンディング事業者それぞれの問題点ということを把握した上で、特定の事業者に投資を集中させないよう、事業者の分散投資も意識しましょう。

口座管理に手間がかかる

例えば投資したいファンドが2件あり、それぞれA社、B社が投資募集するファンドだった場合、両事業者の口座を開設する必要があります。

複数のソーシャルレンディングの案件に投資すると、分配や償還実績も各事業者の管理画面まで観にいく必要があるため、管理が面倒になるという問題点があります。

募集が殺到して締め切りまでに間に合わない可能性

人気のあるファンドには投資応募が殺到し、そのファンドの存在に気付いた時には既に募集が締め切られている場合があります。
昨今はオーナーズブックなどその傾向が強く、クリック競争になっている気配もあります。
タテルファンディングなど、抽選によって投資の可否が決まる事業者も検討しましょう。※2017年12月より先着順に変更となりました。

また、フィンテナでは、設定した条件に基づいた新着ファンドをお知らせする機能を提供しています。
ソーシャルレンディング事業者のホームページまで確認することが億劫な場合は、新着ファンドお知らせ機能の利用を検討してはいかがでしょうか。

ソーシャルレンディングのメリット・デメリットを理解する

ここまで、ソーシャルレンディングの問題点について網羅的に紹介してきました。
ソーシャルレンディングもあくまで「投資」であり、そこにメリット・デメリットは必ずあります。

投資はあくまで自己責任になります。デメリットに目を向けるのは何か後ろ向きでネガティブな印象を持つかもしれませんが、大事な資金を投資する前に必ず押さえておきましょう。