
フィンテナ編集部は先日、トラストレンディングの初心者向けセミナーに参加しました。
セミナーでは、ユーザー数や分布などまで細かな情報開示があり、ソーシャルレンディング業界を俯瞰する意味でも、有益なセミナーとなっていました。
トラストレンディングを運営するエーアイトラスト株式会社に対し、2018年12月14日付けで行政処分が行われました。詳しくはこちらをご覧ください。
目次
貸金業での実績と好利回りが魅力のトラストレンディング
トラストレンディングの運営会社、トラストファイナンスの主な事業内容は、
- ・M&Aや債権買取などの「投資事業」
- ・信販や自社割賦支援などの「クレジット事業」
- ・ソーシャルレンディングを含む「金銭貸付事業」
の3つに分かれています。
本セミナーでは、貸付事業(ソーシャルレンディング)について、事業担当者より説明されました。
本業では直近3期連続で黒字達成しており、好利回りが魅力のトラストレンディング
現在、ファンドの期待利回りが業界均よりも高いトラストレンディング。
そんなトラストレンディングの7つの特徴をお話いただきました。
- 実績・経験
- 利回りの高さ
- グループ会社としてのシナジー
- 低コストでの経営
- 本業が黒字経営できている
- 投資金の預託金口座が無いことから得られる安全性
- ファンドそれぞれの営業者報酬やリスクを開示している
「M&Aなどにより第二種金融商品取引業の資格を取得したソーシャルレンディング事業者もある中、弊社は自社で資格を取得しています。
貸金業法によりソーシャルレンディングは融資先の詳細な情報が開示できないこともあり、事業者の信頼感や実績を重視する必要があります。
その意味では、第二種金融商品取引業の資格を自社で取得した点や、これまで貸金業社・二種業者としてソーシャルレンディング事業以外でも事業を行なってきた経験がある点から、投資家保護に重きをおいた事業運営のノウハウが蓄積されていると思っております。」
「これまでの実績では債権担保型ファンドの期待利回りは8-14%ほどと、同業他社と比較しても、高い期待利回りのファンドを組成できています。※1」
「弊社には、金融やM&A、不動産に造詣の深い人間が集まっています。これらにより、投資家の方々にとって良質なファンド組成を実現しています。」
「現状、他社に比べて広告を積極的に行っておりません。低コストな事業運営により、現在、広告も兼ね営業者報酬を低く設定させていただいております。」
「M&Aなどその他の事業においては直近3期連続で黒字運営が達成できているため、ソーシャルレンディング事業の収益化を急ぐあまり、ファンド商品を無理に増やすことは計画しておりません。
もちろんソーシャルレンディング事業での黒字運営を目指していないわけではありません。今後、リスクは抑えつつも、営業者報酬を業界水準に設定する施策等で黒字化を目指します。」
「預託金制度とは、投資金をあらかじめソーシャルレンディング事業者に預託しておくことですが、弊社には預託金口座がありません。
預託金制度は便利ではあるものの、投資家さまにとってリスクを伴う場合もあります。
第二種金融商品取引業者は、仮に倒産などに陥った場合、保全手段によっては預託金を投資家様へ返金できなくなる場合があります。
弊社はこの点と現在のスキーム等から、預託金口座を設けないことにしております。」
「ファンドの詳細ページをご覧いただければわかりますが、営業者報酬やリスクに関する詳細など、ファンドに関する情報を可能な限り公開しています。」
トラストレンディング事業の状況は?
「2016年11月末現在の統計で、トラストレンディングの累積成約額は13億円超です。また、現在のところ、一人当たりの累積投資額は180万円となっています。
当社の累積成約金額とは、単なる成立金額ではなく実際に運用が実行された金額です。
投資家さまの地域分布としては、東京住まいの方が中心となっており、首都圏の投資家は全投資家の50%弱を占めています。」
今後の黒字化はどのように目指すのか
最後に、トラストレンディングや運営会社であるトラストファイナンスに関する質問がありました。
ソーシャルレンディング事業での黒字化も目指していくとのことだが、今後の展開はどうなるのか
「現在、トラストレンディングは不動産ファンドの比率が高くなっていますが、今後は不動産以外のファンドも積極的に組成するなど、投資家さまにとって魅力的なファンドが増えるような動きを考えております。」
今後、利回りが下がっていくのではないかと懸念しているのだがどうなるのか
「健全に事業を運営していくという意味で、ソーシャルレンディング事業でも黒字化を達成していきたいと考えています。その過程で、現在低めに設定している営業者報酬の割合を業界水準並に上げさせていただく可能性はあります。ただし、その場合であっても、単に投資家様の利回りを下げるだけではなく、貸出金利側で調整するという選択肢も含め検討していきます。」
トラストレンディングセミナーレポートまとめ
高い期待利回りが魅力のトラストレンディング。今回のセミナーでは、キャンペーン的な施策ではあるものの、営業者報酬を低く設定することで好利回りを実現できていると説明がありました。
また、コンプライアンス面でも、健全な事業運営に取り組む姿勢が伺えるセミナーとなりました。
フィンテナでは、今後も各社のセミナーやインタビューなど、投資家の方々に参考となる情報を配信して参ります。
【ソーシャルレンディング各事業者のセミナー一覧はこちら】
・ソーシャルレンディングのセミナー情報と過去のセミナー内容
1)4月中旬現在。