【2018年更新】デフォルトが起きるとどうなる?私のデフォルト(貸し倒れ)体験と実態

【2018年更新】デフォルトが起きるとどうなる?私のデフォルト(貸し倒れ)体験と実態

こんにちは。ソーシャルレンディング投資家ブロガーの中田健介です。

ソーシャルレンディング投資を行う上で、一番懸念されるリスクは何といっても「デフォルト(貸し倒れ)」でしょう。このデフォルトが起きると実際どうなるのでしょうか。私が実際に体験した事例をご紹介します。

ソーシャルレンディングのデフォルト(貸し倒れ)状況

投資にはデフォルト(貸し倒れ)するリスクが常に存在しています。近年盛り上がりを見せているソーシャルレンディング業界ですが、そのデフォルト(貸し倒れ)状況について紹介します。

過去3年間のデフォルト(貸し倒れ)率は1.47%

ソーシャルレンディングは利回りが高く、その分デフォルトのリスクも高いと思う方も多いでしょう。
過去3年の間におけるソーシャルレンディングは貸し倒れ率は1.47%となっています。
※2018年1月25日現在。2015年~2017年に募集が開始されたファンドを対象とした、 フィンテナによる計測と各社へのヒアリングに基づく。融資先から元本が回収できない事象を貸し倒れと定義し、延滞、為替差損を含まない。※元本が保証されているわけではありません。

返済遅延は複数発生している

返済遅延という視点でみると複数の案件で発生しています。
例えばクラウドクレジットが運用していたカメルーン中小企業支援ファンド4号は、カメルーンのトレードファイナンス事業に延滞が生じたことが原因で、6ヶ月の契約期間延長となりました。

このファンドは無事に償還完了となりましたが、返済遅延になった際には、各事業者から随時報告あるので見逃さないようにしましょう。

過去にはデフォルト(貸し倒れ)が発生していた

過去のソーシャルレンディング業界を振り返ると、実際にはデフォルト(貸し倒れ)が発生していました。体験談をもとに振り返ります。

AQUSHで起きたデフォルト(貸し倒れ)の状況

私は2010年からソーシャルレンディング投資を手掛けています。その中で、これまでにデフォルトで損失を被ったことはあるかというと・・・実はあります。

それは、AQUSHというソーシャルレンディングサービスでのことでした。

デフォルトが発生したのは、「AQUSHマーケット」という個人向け・企業向けの貸出ローンファンド(無担保)です。

具体的には、年利13%、貸出期間3年、元利均等返済といった条件のファンドで、私は2011年に38,017円を投資していました。

当初順調に返済が行われていましたが、2014年に突如元本の一部が「貸倒金」として計上されました。その後、元本・金利とも全く返済されなくなり、翌2015年には残りの元本も貸倒金となりました。最終的に2,830円がデフォルトとなり、返ってきませんでした。

ただし、このファンドで得られた金利は3,685円だったので、トータルでは辛うじて損はしていないことになります。


図:AQUSHマーケットファンドでのデフォルト発生

全体の収支はプラス

AQUSHマーケットではほかにもしばしばデフォルトが発生し、損失を被りました。損失額は年次では以下の通りです。

見ての通り、毎年デフォルトによる損失が発生していますが、いずれの年においても利益額の方がはるかに大きかったので、トータルでの収支ではプラスとなっています。デフォルトによる損失は収支にほとんど影響を与えないレベルでした。

なお、2014年にAQUSHに確認したところでは、AQUSHマーケットにおけるデフォルト率は0.68%(金額ベース)とのことでした。私が被ったデフォルトの損失額もそのレベルであり、私が特別に運が良かったとか悪かったということはないようです。

maneoやSBIソーシャルレンディングもデフォルト(貸し倒れ)が?

AQUSHの他にも、過去にmaneoやSBIソーシャルレンディングでも貸し倒れが発生しています。

SBIソーシャルレンディングで、貸し倒れが発生したのは個人向けローンのファンドです。利回りも高く、条件は悪くなかったものの、返済遅延率が10%を超えていたこともあり、個人向け融資からは撤退しました。

デフォルト(貸し倒れ)の経験から言えること

これらの経験からいくつか学んだことがあります。

必ずしも元本割れするわけでない

AQUSHマーケットは、1つのファンドが複数の借り手から構成されている商品でした。一部の借り手が返済不能となっても、他の借り手がきちんと返済することで、損失額はファンド投資額の一部にとどまっていました。

私が体験したケースでも、損失額はファンド投資額の7.4%でした。つまり、必ずしも「デフォルト=全て損失」ではないということです。

合計で収支がプラスであれば問題ない

今回のケースでは、返済不能となった借り手以外の借り手はきちんと金利も含めて返済してくれたので、ファンド全体としての収支はプラスとなりました。

今回のように金利の高いファンドであれば、一部の借り手がデフォルトに陥ってもトータルではプラスになることもあります。

まとめ:分散投資を心がける

とはいえ、やはり上記のケースはあくまで不幸中の幸いであったと考えています。デフォルトは常に発生しうるものだと改めて認識し、ファンド及び事業者の分散投資をそれまで以上にきちんと行うようになりました。

また、幸いなことに私はAQUSH以外のソーシャルレンディング事業者でデフォルトを経験したことはありません。ただその一方で、返済遅延は発生しています。

ソーシャルレンディングにはデフォルト(貸し倒れ)が発生する可能性が常に存在しています。こうした前提の上、リスクをおさえたソーシャルレンディング投資を行いましょう。