私がソーシャルレンディングに興味を持った理由

私がソーシャルレンディングに興味を持った理由

ソーシャルレンディングの投資ノート」というサイトを運営している、SocialNoteと申します。今回新たに当サイトで記事を寄稿させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

まず最初に、筆者がソーシャルレンディングに興味を持った理由から書き始めたいと思います。

世界中で市場が拡大しつつあるソーシャルレンディングの世界について筆者は、投資という観点でも面白いと感じていますが、純粋に市場の広がりという観点でも面白いビジネスと考えています。

『今こそ「金利」で資産を増やしなさい!』でソーシャルレンディングを知る

ソーシャルレンディングのブログでは非常に有名なけにごろう氏が書いた『今こそ「金利」で資産を増やしなさい!』という本との出会いが、全ての始まりと言えます。

ソーシャルレンディングという言葉と内容は何となしには知っていましたが、殆ど興味が無い中で、いつも立ち寄る本屋でブラブラしていた時に目に留まったのが、『今こそ「金利」で資産を増やしなさい!』。そりゃ金利で資産が増えれば言うことないよね・・・、と言う感じで、半分眉唾で本を手にとってみました。

そして読みすすめるうちに、コリャ面白い、とレジに直行。そしてそこから筆者とソーシャルレンディングの関係がスタートすることとなりました。

『今こそ「金利」で資産を増やしなさい!』はソーシャルレンディングについて、さすがうまくまとめてあります、ソーシャルレンディング投資に興味があれば、持っておいて損はない書籍と考えています

そしてその本をきっかけに、インターネットや書籍等でソーシャルレンディングについて調べていくと、これは面白い金融商品だなぁ、と思うに至り現在に至っています。

そして次がソーシャルレンディングが面白いと思う点です、3点ピックアップ致しました。

①日本で相場変動リスク無しで金利5~10%の金融商品

現在の日本は低金利どころか日本銀行はマイナス金利を導入しており、実質的には金利がなくなっている状態となっています。

しかしながら金利5%の金融商品と言えば、そんなに数は多くないものの、REITを始めとする投資信託や不動産でその程度の利回りのものは存在しています。ただし金融商品の場合は相場による変動リスクがつき物。REITが代表例ですが、確かに5%を超える利回りのREITもありますが、価格下落リスクがあります。また不動産は投資の必要金額がREITと比べても桁が1つ以上違ってきますし、非常に敷居が高く庶民には縁遠い存在です。

そんな中でソーシャルレンディングは、日本においても相場の変動リスク無しで5~10%の金利の案件を提供しています。

価格下落リスクがなくて金利5~10%と言われると、低金利に慣れ切った日本では本当か?、と思ってしまうのが当然ですが、実際に日本のソーシャルレンディング業界は金利5~10%で各案件に取り組んできており、投資家に対して資金の分配もしっかりと行っています。

コレってすごいことではないか、と思ったのが第一印象。当然、リスク性の商品であり案件の融資先がやられて投資のファンドが棄損するリスクはありますが、現代の日本で価格下落リスクなしに金利5~10%もらえる金融商品があるんだ、というのは素直な驚きでした。

②分散投資が可能

資産運用に分散投資は必要不可欠です。ただし株にしろREITにしろ、資産運用を行うにはある程度まとまった資金が必要となります。

しかしながら、ソーシャルレンディングは1万円から投資可能な案件もありますし、1件の金額は高くても10万円から。これであれば数十万円あれば幅広く分散投資できます。

どうやって分散するかは当然頭を使う必要がありますが、これまで数十万円の投資規模でも分散投資が可能な投資商品はあまり見たことが無く、コレは面白いと思いました。パフォーマンス(金利)は高いけどリスクの高い案件と、パフォーマンスは低いけどリスクも低い案件を組み合わせれば、自分でポートフォリオも作ることが可能になります。

ただしその後、少し調べると日本のソーシャルレンディング業界は不動産案件が大半を占めている、ということに気付き、ポートフォリオという観点では、案件内容の分散がより大切、と考えるようになります。しかしながら、数十万円単位であっても分散投資が可能、という点は、細かくリスク管理しながら投資が可能と言う、個人が投資できる金融商品の中では、非常にユニークな存在、と思うに至りました。

③市場自体が立ち上がりを始めたばかり

筆者がソーシャルレンディングについて詳しく調べ始めたのは、2016年の春頃です。丁度その頃にソーシャルレンディング市場が本格的に立ち上がり始め、各社が資金残高を急激に伸ばし始めた時期に重なります。

それまでは普通に申し込みができた案件が、募集開始数分で終わってしまう事態は当初予想もしていませんでした。少子高齢化が進む日本で、ソーシャルレンディング市場は急激に伸びている市場であることには間違いありません。

ソーシャルレンディング各社の募集資金額の推移を見ていると、2016年に各社ともに募集資金額が急増しており、2016年は日本でソーシャルレンディング市場が立ち上がりの転機となった年、と筆者は考えています。

日本でもまだまだ発展余地のあるソーシャルレンディング業界が、今後どのような形で成長を遂げていくのか、非常に興味を持っています。

不動産案件中心の日本のソーシャルレンディング業界の特異性にも興味

以上が大まかな筆者のソーシャルレンディングに対して興味を持った理由ですが、色々調べているうちに、面白いと思ったもう1つの点があります。

それは日本のソーシャルレンディング市場が不動産を中心に回っている点です。バブルの時代でなくとも、不動産周辺の融資は儲かる、と相場が決まっている訳ですが(ただしバブルが来るといずれ弾けます)、海外では個人間でのお金の貸し借りを行うソーシャルレンディングが、日本では不動産を媒介にしてお金が回っている姿は、日本独特だよなぁ、と思いました。

不動産と言えば、以前はノンバンクがお金を貸していたのですが、金融危機や金融機関の再編を経て、ノンバンクの多くは姿を消しています。ただしアベノミクスによる景気回復を受け、不動産売買も活発になった中を、ソーシャルレンディングが一部とは言えノンバンクの代わりのように存在しているという現実が今存在しています。

不動産に融資していたノンバンクの金利が高かったことを考えれば、ソーシャルレンディングの金利の高さも妙に納得できる部分があり、ホントこれは面白いな、と思いました。

また日本のソーシャルレンディング業界のプレイヤーも、ノンバンク出身の方も多いようですし、不動産方面からの参入の方も多いです。世界とは異なる形で発展しつつある日本のソーシャルレンディング市場が、市場拡大の中で今後どんな方向に進んでいくのか、と言う部分は投資とは異なる観点で、ある意味で一番興味を持っています。

ただし世界的に見れば、ソーシャルレンディングは各国の事情に応じた市場拡大となっています。欧米はP2Pの個人間金融が中心ですが、例えば中国では企業向け融資案件が多くなっていますし、アメリカでは投資銀行の参入も発生しています。それぞれの国の事情によって、ソーシャルレンディング市場の拡大も様々となっています。

まとめ

株、REIT、FX投資は価格変動リスクのある相場制商品となります。一方で不動産は価格変動リスクは前者に比べれば少ないのですが、投資には大きな金額が必要ですし途中換金も物理的に非常にハードルが高くなっています。

相場制商品と不動産という2つの資産運用先に加えて、それなりにリスクはあるけれど小額資金で投資ができて利回りも5~10%あるソーシャルレンディングは、その2つのカテゴリーの中間を埋めることが出来る存在ではないか、と考えています。

不動産のように敷居は高くないけれど、また株やREITのように日々の相場に一喜一憂する必要も無いという金融商品が、ソーシャルレンディングに該当します。投資先としては、日々の相場に一喜一憂する株等は面白い反面疲れます。よってゆったりと資産運用ができて、尚且つ利回りも高い、というソーシャルレンディングは運用商品として、これまでの日本に無かった存在となります。

まだ発展途上の業界であり、今後様々な問題が生じる可能性もありますが、ソーシャルレンディングが有している、価格変動にビクビクすることなくノンビリ見ることが出来て利回りも高い、という商品性は他にはない特徴です。

そんなソーシャルレンディングの世界について、面白い金融商品という観点、及び、純粋に市場やビジネスが面白い、という両面から、筆者は今後もウォッチしていこうと考えています。