新製品のクラウドファンディングプロジェクトのリターン(お返し)まとめ

新製品のクラウドファンディングプロジェクトのリターン(お返し)まとめ

今回は投資型・融資型とは異なりますが、クラウドファンディングの種類の一つである「購入型」がどのようなものかについて説明をしていきたいと思います。

「クラウドファンディング」は開発者の資金調達や、新商品のテストマーケティング、一般販売前の実績づくりなど、現在様々な目的で使われているサービスです。

プロジェクトに賛同し、資金支援する支援者は「リターン(おかえし)」を受けることができます。リターンは、大きく分けて「金融型」「寄付型」「購入型」の3タイプに分類されます。。

最近では多彩なリターンも見受けられるようになりました。「金融型」は出資者が特定の企業に出資を行い、リターンとして配当や株式を受け取れます。「寄付型」はその名の通り、「寄付」であるためリターンは発生しません。「購入型」は支援金額に応じて金銭以外の商品やサービスが受け取れるというタイプです。

新製品のクラウドファンディングプロジェクトの多くはこの「購入型」で、支援者に「欲しい」と思ってもらえるリターン(新製品)を提案することが「プロジェクト成功のカギ」と言えそうです。新製品のクラウドファンディングプロジェクトと、そのリターンの事例をいくつか見てみましょう。

世界最小のモバイルカラープリンター「PrinCube」(CAMPFIRE)
https://camp-fire.jp/projects/view/211040

この製品は、国内購入型クラウドファンディング史上最高記録を更新したプロジェクトです。
好みのデザインをフルカラーで紙や木、布、プラスチックなどのあらゆる素材に印刷が可能な、小型モバイルカラープリンターです。2020年2月にCAMPFIREで掲載を開始し、掲載期間はわずか2ヶ月ながら最終的に3億円以上の資金調達に成功しました。
リターンには「超早割価格 PrinCube1個 【48時間限定セール】50% OFF」といった公開から48時間以内に購入者を集めるリターンを作成し、ページを見た人がその場で購入したくなるような仕掛けや工夫がありました。

有線・無線を切り替え可能!
2Way完全ワイヤレスイヤホン「KPro01」(Makuake)

https://www.makuake.com/project/kpro01/
この製品は動画視聴の際に発生する音の遅延が気になる」という声を元に、“有線イヤホンとしても使用できる音ゲー向けの完全ワイヤレスイヤホン”をコンセプトに企画されました。
オーディオマニアとしても雑誌連載もしている 声優の小岩井ことりさん・オーディオマニア・国内有数のデジタルアクセサリーメーカーであるオウルテックでコラボレーション開発をしました。開始わずか45分で1,000万円を突破し、最終的に1億6,607万円を調達に成功しました。
リターンにはイヤホンに加えて、イヤホンを収納できるポーチやイヤホンケーブル、オーディオ変換アダプタなどイヤホン使用時に便利なグッズを含めたリターンが作成されました。


まぼろしの鋼材の包丁(未来ショッピング)

https://shopping.nikkei.co.jp/projects/mitsuboshi

この製品は、140年以上にわたり、刃物の製造・販売に携わってきた企業が、2020年コロナウイルスの流行により、日本の外食産業で苦境に立っている方が多く、そういった方々に向けて、刃物の街、岐阜県・関の職人がみなさんにぜひ手にしてほしい渾身の包丁を開発しました。
このプロジェクトでは資金調達目標30万円に対して、クラウドファンディング開始後わずか1週間でリターンがすべて売り切れ、最終的に322万の調達に成功しました。
リターンには包丁に加えて、名入れや研ぎ直し1回無料などを付属したものが作成されました。

スマートフォンから持ち物を見つける!100%フランス製「Wistiki」(Motion Gallery)

https://motion-gallery.net/projects/wistiki


Wistikiは、スマートフォンのBluetooth機能と連動させることで、Wistikiを付けた持ち物の位置を無料の専用アプリで把握できる製品です。フランスで開発された商品の日本上陸の足掛かりとしてプロジェクトが実施されました。鍵、カバン、車、財布、ペットなど、どんなものでも、Wistikiをつけた持ち物が見当たらないときには、登録したスマートフォンから音を鳴らしたり、地図上に表示させたりして簡単に見つけることができます。1つのスマートフォンやタブレットに、最大で10個のWistikiを登録できます。デザインも、カード型、メダル型、長方形の3つがあり、取り付けるものによって選べます。

100万円の目標に対して約4,000万円の資金調達に成功、第二弾のプロジェクトも実施されました。支援金額によって、一つ当たり53%~71%の割引価格で購入できるリターンが用意されました。

 

このように、新製品プロジェクトにおいてもクラウドファンディングは大きな成果を生み出しています。

幅広いユーザー向けの製品だけでなく、ターゲットを絞った商品の開発ができるのもクラウドファンディングの利点でしょう。クラウドファンディングのリターンは、支援者にとって魅力のひとつです。支援者に寄り添ったリターンにすることで商品の価値を感じてもらい、資金調達を達成することが、さらなる新製品開発、発展につながるといえるでしょう。

 

参考

CAMPFIRE、「PrinCube」が支援額3億円・支援者数2万人を超え、国内購入型クラウドファンディング史上最高記録を更新
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000264.000019299.html