米国の主要な【購入型】クラウドファンディング・プラットフォーム2社のご紹介/比較

米国の主要な【購入型】クラウドファンディング・プラットフォーム2社のご紹介/比較

新型コロナウイルス(COVID-19)が全世界で猛威を振るう中、米国の失業率は、2020年5月時点で大恐慌依頼の水準の15%を超えるなど深刻な状況が続いています。

そんななか、2020年5月5日に米国の証券取引委員会(SEC)は中小企業に対して、資金調達の規制を一時的に緩和し、クラウドファンディング登録の承認を加速すると発表しました。これにより、大企業にも中小企業にも投機的投資家から資金を集めやすくなりました。

SECの発表文では「クラウドファンディングを行うために、企業は投資家に対して、集まった資金を自社の存続と新型コロナウイルス関連の支払いに使うことを明確に告知する義務がある」と記載されています。

資金調達希望者は、クラウドファンディングを実施して10万7,000ドル(約1140万円)から25万ドル(約2,670万円)の資金を調達する際、財務諸表の監査が免除されるなどの特典を受けることができます。

この規約の一時緩和措置は2020年8月末であるものの、新型コロナウイルスによって事業継続が危ぶまれている企業、特に中小企業の大きな助けとなるでしょう。

今回は、そんな米国で代表的な2つの購入型クラウドファンディング・プラットフォームについてご紹介します。

 

 

Kickstarter

https://www.kickstarter.com/

Kickstarterは、2009年に設立された購入型のクラウドファンディング・プラットフォームです。約1,783万人がそのプロジェクトを支援し、約50億ドルの資金が集まり、その中から約18万1,000以上のプロジェクトが目標資金獲得に成功しています。創業者のPerry Chen氏は、元ミュージシャンであり、資金不足でライブを開けなかった自身の経験からインターネット上で資金を集めるというアイデアから始まった会社です。

「クリエイティブなプロジェクトに生命を。」をコンセプトとしており、プロジェクトを開始するのが難しいだけでなく、プロジェクト開始後も技術的に達成できそうになかったりする場合などにKickstarterの判断により、キャンペーンが中止されることもあります。それほど、プロジェクトの質に対するこだわりが強いプラットフォームと言えるでしょう。

2017年9月から日本版が正式にリリースされています。

 

Indiegogo

https://www.indiegogo.com/

Indiegogoは、2008年に設立された購入型のクラウドファンディング・プラットフォームです。総調達額は、2018年4月の時点で15億ドル近くに達しています。Kickstarterがクリエィティブなプロジェクトが多い一方で、Indiegogoは「Tech & Innovation」分野と「Creative Works」分野合わせて、24種類のプロジェクトのカテゴリーがあり、音楽やゲームから、チャリティー、小規模事業に至るまで幅広いプロジェクトへ参加できます。

Indiegogoは、自分達をイノベーティブなアイデアを実現するための資金調達の場であると定義しています。

 

KickstarterとIndiegogoの違い

Kickstarterは、販売そのものではなく、クリエイターと支援者をサポートすることを重視しているのに対して、Indiegogoはサイト内にマーケットプレイスを設けているなど、販売を重視しています。

また、Kickstarterがサイト掲載の条件を厳しくしている一方で、Indiegogoは比較的寛容な審査内容と言われています。そのため、テストマーケティングの利用にあたっては、Indiegogoの方が出品しやすいと言えるでしょう。

これらの違いは、Kickstarterのプロジェクト成功率が約35%なのに対して、Indiegogoは約16%であることからも明確です。

自信のある製品を世の中に拡げたい人にとっては、Kickstarterの方が魅力的であり、前述している様なテストマーケティングに活用するなど気軽に出品したい人にとっては、Indiegogoの方が適していると言えるでしょう。

 

まとめ

今回は、米国の2大購入型クラウドファンディング・プラットフォームについてご紹介しました。冒頭で述べた通り、新型コロナウイルスにより業績が悪化している企業にとって、今回のSECの決定は非常に大きなものだったと言えるでしょう。

日本でも、クラウドファンディング・プラットフォームを提供する各社が、新型コロナウイルスによって窮地に陥っている企業・アーティスト・クリエイター向けにサポートプログラムを展開しています。

クラウドファンディング・プラットフォームをきっかけに、企業、アーティストやクリエイターが救われることを願ってやみません。

 

 

参考リンク

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58900070Y0A500C2EA2000/

https://jp.techcrunch.com/2020/05/05/2020-05-04-sec-loosens-crowdfunding-regs-so-small-businesses-can-raise-alternative-financing-in-pandemic/

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/d2c3a0ce31dec031/NY201812.pdf

https://blog.btrax.com/jp/cf-2/