2018年12月5日、ラッキーバンク(以下、ラッキーバンク社)より投資家に対して債権回収方法に関するメールが送られた。
当メールでは、返済遅延が発生していた複数ファンドについて、債権譲渡が決定した旨とその経緯が報告されている。※1
<任意売却・不動産競売での回収について>
ラッキーバンク社は返済遅延が発生して以降、任意売却での返済を試みており、担保不動産20件のうち2件の売却が決定したものの、2018年11月末時点でその他の担保不動産の売却は進んでいなかった。
また不動産競売も検討したとしているが、返済遅延が発生した2018年5月時点での同社の資金繰りでは、全ての担保不動産を不動産競売にかける場合に必要と試算された予納金約4,000万円を用意できなかったとしている。
そのため、12月5日まで、募集業務の再開で得られる収益や外部からの資金調達で当該費用を捻出するよう、内部管理態勢を整備していたが、捻出できるまでには至らなかった。
<債権譲渡の決定について>
2018年8月末頃に同社は、対象債権譲渡の検討を進めており、取引先や法律事務所からの紹介などで14社の債権譲渡候補先があったとしている。
2018年9月下旬頃から10月10日頃までに、5社から担保不動産などのデュー・デリジェンスを受け、競争入札により、以下の譲渡価額の提案を受けていた。
- A社:14.6億円
- B社:15.2億円
- C社:14.3億円
- D社:16億円
- E社:14.2億円
そして、2018年11月26日に臨時取締役会を開催し、債権回収の方法を協議した結果、同社の資金繰りや財務状況を鑑み、最高入札額であったD社への債権譲渡を決議。その後、具体的な交渉が行われ、2018年12月6日に契約締結日及び債権譲渡が実行されるに至った。
返済遅延となっているファンドの債権総額は約50億円で、入札の結果、D社への債権譲渡額は約16億円のため、元本の回収率は約32%となる。
本件については、続報があり次第随時フィンテナにて取り上げていく予定。